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Horses〜アルバムジャケットの誕生秘話、写真の中の瞳が世代を超えて語るメッセージとは?

2021.03.12

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私はモノクロのジャケットを見つめた。
私はアルバムの隅々まで眺めた。
私は全ての曲を盤が磨り減るまで聴いた。
全てが計り知れない意味を秘めていた。
それは私の人生を変えた。
『Horses』は深く精神的な影響を私に与えた。

──D・D・フェイ(ロンドン在住のジャーナリスト、ニック・ジョンストンの友人)


パティ・スミスと“特別な関係”にあった写真家ロバート・メイプルソープが撮影したカヴァー写真によって『Horses』は、ロックの歴史上“最も有名な”レコードジャケットの一つとなった。
この写真が撮影されたのは1975年の初秋頃だったといわれている。
場所は様々なアーティスト達が根城としていたニューヨークのワシントンスクエア。
同性愛者だったロバート・メイプルソープの恋人としても知られる美術コレクターのサム・ワグスタフが所有する新しいペントハウスで行われた。
パティは、撮影当日の様子をこんな風に回想している。

「その日、わたしは寝過ごしてしまったの。
慌てて、いつもステージや通りで着ている自分の制服のような服に着替えたわ。
ロバートは何も言わず、すぐに仕事に取りかかった。
アシスタントは使わなかったわ。
彼が欲しがっていた三角形の影ができていたが、陽は動きつつあり影は消えようとしていた頃、ロバートはわたしにジャケットを脱ぐように言った。
シャツの白さが気に入ったのよ。
わたしはジャケットをシナトラ風に肩に引っかけた。
シナトラの何気ない大胆さが出るように。」


ロバートは、自然光を使い、天使の翼のようにパティの肩から逆光が跳ね返るように撮影した。
アイロンのあてられていない白シャツとタイトなジーンズは、70年代当時のキース・リチャーズやボブ・ディラン風の着こなしだった。
そのファッションは明らかに男物だったが、細く長い首、そしてシャツの袖から胸元に伸びる手首や指先は、むしろ“女性らしさ”を強調していた。
アルバムの発売元だったアリスタレコードは、この両性具有的に写ったパティの写真を良しとはしなかった。
アリスタはボサボサの髪の毛をエアブラシで修正することなど“売るため”の提案をしてきたが、パティはそれを拒否した。
「この写真はロバート・メイプルソープとの共同作業によってもたらされたものであり、芸術上の決定権は自分にあるのだ。」
と言ってアリスタに主張したのだ。
元ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのジョン・ケイルがプロデュースした彼女の記念すべきデビューアルバム『Horses』は、同年の12月にリリースされ、アメリカのチャートを47位まで駆け上った。
リリースから長い時を経ても“伝説的なアルバム”として愛され続けた同作は、2003年に『ローリング・ストーン誌』が選出したオールタイム・グレイテストアルバム500で44位にランクインした。
U2のボノは「自分に大きな影響を与えたアルバム」として挙げており、R.E.M.のマイケル・スタイプは「人生を変えたアルバム」とし公言している。
また同作のリマスターCDには、イギリスのロックバンド、ザ・フーが1965年に発表した名曲「マイ・ジェネレーション」のカヴァーバージョンが収録されている。
それに伴ってパティは当時のことを振り返りながら、このアルバムジャケットに関してこんな印象的な言葉を残している。

「今それを見ると、わたしたちの世代に特有の、神聖な歌のような無アート性を確かに捕らえているのが確認できるわ。」

「わたしたちの世代。興奮するため、驚きのため、若さの可能性のすべてを共鳴させようと、新しい風景を探した種族。」




奴らは俺達を押さえつけようとする
ただちょっと目立つからって
あいつらはひどく冷たい気がするぜ
あんな風に歳を取る前に死にてぇよ!

これが俺の世代!
これが俺達の世代なんだ



いつの時代にも、どんな世代にも“主張”がある。
「今」を生きる若者達。
「今まで」を生きてきた大人達。
「これから」を生きる子供達。
新しい風景を探す種族=若者達が今、心から“平和な未来”を願っている。
我々は選択を過ってはならない。
このアルバムジャケットに写るパティ・スミスの瞳は…世代を超えて言葉以上の何かを語り続ける。


世界は今、戦争の方向へと向かおうとしています。
戦争はすべて道徳に反しており、間違ったものです。
戦争の結果は、あなた達の祖先が経験した
悲惨なものでしかありません。
戦争の悲惨さを日本ほど理解している国はありません。
自分達の歴史を学び、子ども達に教えて、世界の見本となって下さい。
広島や長崎の悲劇を、私達は忘れてはなりません。

私は戦後、1946年に生まれた者として、先祖に代わって謝ります。
あなた達の国で起きたことについて謝ります。
原爆を作ったことに対して謝ります。
世界中の子ども達が原爆と言う恐怖に見舞われ、
生きなければならなくなったことを謝ります。

(2002年フジロック・フェスティバルのステージでパティ・スミスが語った言葉より)


PATTI20SMITH20HORSES
パティ・スミス『Horses』
1975年/BMG JAPAN



こちらのコラムの「書き手」である佐々木モトアキの音楽活動情報です♪
宜しくお願い致します。





【山部“YAMAZEN”善次郎×佐々木モトアキ ダブルネーム弾き語りTOUR
“ちょっと長い関係の歌旅2021”】


2月20日(土)福岡 Bassic.  
2月21日(日)札幌 Beggars Harlem 
2月27日(土)新潟 Live Bar Mush
2月28日(日)下北沢 Laguna(限定20名入場可+配信ライブ)
3月12日(金)久留米 農と音
3月13日(土)熊本・八代 7th chord 
3月14日(日)大牟田 陽炎
3月16日(火)行橋 Memphis
3月18日(木)東広島 pasta amare  
3月19日(金)大阪 新世界ヤンチャーズ
3月20日(土)静岡・御前崎 Cook House椿
3月21日(日)名古屋 ROLLINGMAN
4月2日(金)仙台 ホームラン酒場  
4月3日(土)山形 ヱレキ酒場オリハント 
4月4日(日)秋田 カウンターアクション 
4月8日(木)長崎 R-10 
4月10日(土)和歌山 OLD TIME
4月11日(日)所沢 音楽喫茶モジョ 
4月12日(月)横浜 Bar Take’s
4月15日(木)小郡 ジラソーレ〜8周年記念スペシャルライブ〜
4月16日(金)愛媛 スタジオOWL
4月17日(土)徳島 デラシネ
4月18日(日)高知 A’bar
4月21日(水)福岡 Bassic.(限定15名入場可+配信ライブ+TOUR総括スペシャルトーク&スライドショー)


↓チケットご予約&公演詳細はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12634659162.html






【佐々木モトアキ独り唄いTOUR“歌ものがたり2021”春夏】


5月1日(土)岡山Desperado 
5月2日(日)島根(出雲)Bar Soul  
5月3日(月・祝)鳥取(米子)シンワンメイク
5月4日(火・祝)昼-鳥取(米子)スナックCandy  
5月4日(火・祝)夜-鳥取(米子)LiveたちQ赤ラベル
5月8日(土)山口(下関)T-Gumbo 
5月9日(日)福岡(みやま)柿原酒店 
5月16日(日)茨城(水戸)音食座敷 開化亭
5月22日(土)青森Be on cafe 222  
5月23日(日)盛岡FEELGOOD 
5月28日(金)京都 夜想
5月29日(土)兵庫(宝塚)IL grazie
5月30(日)八幡DELSOL café
6月5日(土)広島OK鉄板
6月6日(日)佐賀LIVE BAR雷神 
6月12日(土)埼玉(新座)エアストリームカフェ
6月13日(日)新潟(三条)Gallery Bar Veronica 
6月25日(金)群馬(前橋)Cool Fool 
6月26日(土)東京(高円寺)MOONSTOMP
6月27日(日)埼玉(川越)大黒屋食堂  
7月3日(土)田川Diamond Moon
7月4日(日)行橋Rock ‘n Roll Bar Memphis 
7月6日(火)福岡(薬院)遊来友楽 
7月10日(土)熊本(八代)bar 7th chord
7月11日(日)山口(柳井)みんなの広場 Live Village 
7月16日(金)蒲郡Chot Bar VOODOO LOUNGE
7月17日(土)名古屋 喫茶ニューポピー 
7月18日(日)浜松(弁天島)LIVE & DISCOマルガリータ 
7月24日(土)群馬(渋川)Casa Midori 
7月30日(金)岩手(宮古)カントリーズcafe
7月31日(土)岩手(二戸)HOUSE OF PICNIC 
8月1日(日)秋田(能代)ハックルベリー 
8月3日(火)小郡 ジラソーレ 
8月7日(土)群馬(下仁田)otenki食堂
8月21日(土)久留米 農と音
8月22日(日)山口(萩)玉ネギ畑  
8月23日(月)東広島pasta amare
8月27日(金)福岡 Bassic. 
8月28日(土)LIVE BAR雷神
8月29日(日)大牟田 陽炎


↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12660274732.html




新作ミニアルバム『You』のタイトルナンバー「You」のミュージックビデオです♪
映像編集、ポートレート(写真)撮影共に、佐々木モトアキ本人が手掛けております。
とてもシンプルな技法ですが、何よりも登場する皆さんの表情が素敵です✨
人が“目を閉じている”表情。
その“瞼(まぶた)に浮かんでいる”誰かの顔。
繋がってゆく“一人ひとりの想い”が、100通りの、いや1000通りのドラマを描いてくれています。





佐々木モトアキ
執筆、動画編集、音楽・食・商品・街(地域)に関わるPRなどなど…様々なお仕事承ります。

例えば執筆・編集のお仕事として、、、
「ロック」「ジャズ」「ブルース」「R&B」「シャンソン」「カントリーミュージック」「フォークソング」「歌謡曲」「日本の古い歌」など、ほぼオールジャンルのページ企画・特集に対応いたします。
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音楽、人、食、商品、街(地域)…私たちが関わるものすべてには“ものがたり”があります。
あらゆるものに存在する、ルーツや“人の想い”を伝えながら「誰が読んでもわかりすい読み物」をお作りいたします✒︎
お気軽にご依頼のご相談・ご連絡ください♪
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090-2669-2666

【佐々木モトアキ プロフィール】
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12648985123.html

【TAP the POP佐々木モトアキ執筆記事】
http://www.tapthepop.net/author/sasaki

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