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二人の母、二人の妻、そして二人のレノン・後編

2016.05.29

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ジョンレノン。
彼には二人の母がいた。
彼は二人の妻と結婚した。
そして彼は二人の息子をこの世に残した。

ジュリアとミミ。
シンシアとヨーコ。
ジュリアンとショーン。

『二人の母、二人の妻、そして二人のレノン』と題して、ジョンと彼らとの間にどんな出会いや出来事があったのか?前編・後編に渡って、いくつかのエピソードをご紹介します。


夜の帳が降り
辺りは暗く
明かりといえば
月だけだ
ああ、でも怖くない
怖くなんかないのさ
ただ君がそばにいてくれればね

だから ダーリン、ダーリン
そばにいて
そばにいておくれよ


ジュリアン・レノン。
1963年、彼はイギリスのリヴァプールで父ジョンと母シンシアとの間に生まれた。
当時ジョンは生まれてきた我が子にどのように接したらいいのか分らずに困惑していたという。
ジョンには本当の両親に育てられた思い出がない。
そんなこともあり幼い頃のジュリアンもほとんど父ジョンと接したことがなかったという。
また、この時期のビートルズは、ツアーやレコーディングで多忙を極めていた。
この頃、ジョンは「どうしたらジュリアンが喜ぶか教えてくれ」とポール・マッカートニーに相談していた。
そして、しだいにジョンとシンシアの夫婦仲も険悪になってゆく…。
シンシアが旅行中にジョンは出会ったばかりのヨーコを自宅に引き入れ、そのまま同棲を始めてしまう。
そしてジュリアンが5歳になる年(1968年)に、ジョンとシンシアは離婚をする。
幼いジュリアンはシンシアに引き取られ、母子二人での生活が始まる。
この時、ポールはジュリアンを励ますために「Hey Jude」を書いたのだった。
“Jude”とは幼い頃のジュリアンの愛称だった。


ジュード そんなにくよくよするなよ
悲しい歌でも 気分ひとつで明るくもなるさ
あの娘きみの心の中に受け入れるんだ
そうすれば また楽しい日がやってくる

ジュード 尻ごみしていちゃダメさ
あの娘を手に入れられるのはきみだけだぜ
あの娘をその腕で抱きしめるだけでいい
その瞬間から きみの世界は明るくなる


ジュリアンにとってこの曲は“特別な歌”となる。
その後、シンシアは3人の男性と再婚をくり返す人生を歩む…。
10歳になったジュリアンは、ある日、自分から父の家を訪ねる。
その年のクリスマスにギターとドラムをジョンからプレゼントしてもらったことをきっかけに楽器に触れるようになる。
その後、ジュリアンは父と同じ音楽の道を志し、1984年、21歳でレコードデビューを果たす。


ショーン・レノン。
1975年、彼はアメリカのニューヨークで父ジョンと母ヨーコとの間に生まれた。
ジョンは偶然にも自分と同じ誕生日に生まれたジョーンを溺愛したという。
だが、わずか5年後(1980年)にジョンは凶弾に倒れこの世を去る。
父親を殺害した犯人とその犯行前に遭遇し、犯人と握手する羽目になったショーンはその時まだ5歳だった。
13歳となったショーンは1988年に製作されたジョン・レノンの伝記映画『イマジン』に母と共に出演している。
同年にはマイケル・ジャクソンの主演映画『ムーンウォーカー』にも出演。
その後、二十歳を迎えたジョーンは1995年にコロンビア大学を中退し、父と同じく音楽の道へ進む。
1998年にはソロアルバムをリリースし、来日公演も果たす。
2008年には恋人でもあるモデルのケンプ・ミュールと“The Ghost of a Saber Tooth Tiger”を結成し、自身のレーベル“Chimera Music”を立ち上げる。


かつては“レノン&マッカートニー”として、そのほとんどの楽曲を共作した仲だった二人のビートルズ。
どちらかというと“王道”のポップソングを書くポールに対して、ジョンの作風は“実験的・前衛的”であった。
ジュリアンはビートルズでいうところのポール的なポップで美しい曲の影響を受け、ショーンはビートルズが解散した後のジョンとヨーコの影響を強く受けていると言えるだろう。
生い立ち、声質、容姿など、偉大な父と様々な共通点を持つ二人のレノン。
「父親と比べられたくない!」と一時期は父の存在を遠ざけたジュリアンにとって、ジョンは反面教師だったのだろう。
逆に「父親に近づきたい!」と願ったショーンにとって、ジョンはまさにお手本だったと言えるだろう。
いずれも父親を強く意識して育ったことには違いない。
ジョン・レノンから多大な影響を受けた彼らが今後どんな活動を展開するのか?期待している音楽ファンも少なくはない。




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