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Bridge over Troubled Water〜この国、この世界の明日に“希望の橋”が架かりますように

2023.01.24

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人生が大変で辛いとき
友達も見つからないようなとき
激流に掛かる橋のように
僕が君の支えになるから
激流に掛かる橋のように
僕が君を助けるから


この「Bridge over Troubled Water(明日に架ける橋)」は、ポール・サイモンが黒人霊歌の「Mary, Don’t You Weep(マリアよ、嘆かないで)」から着想を得て作詞作曲した歌として知られている。
“Mary”とは、もちろん聖母マリアのことである。


この歌は突然降りてきたんだ。
今まで曲を書いてきた中で最も衝撃的な瞬間の一つだったよ。
「これは、僕が普段書くものよりもかなり良いぞ」と思ったことを覚えているよ。(ポール・サイモン)



1970年にサイモン&ガーファンクルが発表したこの曲は、彼らにとって最大のヒットソングとなった。
アルバムの発売と同時にシングルカットされ1970年2月28日から6週連続1位を記録。
さらにアルバムの方は全米アルバムチャート1位を10週に渡ってキープし、イギリスでは7ヶ月もの間1位となり1100万枚ものセールスを記録する大ヒット作となった。
翌1971年のグラミー賞では、5部門を制覇するという快挙を達成。
歌唱クレジットがサイモン&ガーファンクル名義になっているが、実際はアート・ガーファンクルの独唱によるもの。
皮肉なことに、この曲が大ヒットしていた頃、二人の間では音楽的方向性の差異が生じ、長年コンビを組んできたパートナーシップに亀裂が入ろうとしていた。
ポールは後々まで自らこの曲を歌わなかったことを心の底から後悔していたという。



歌詞だけを読むと、ラブソングや困難や悲しみに直面した人への応援歌(励ましの歌)として解釈するのが普通である。
作者のポール・サイモンも当時はそのつもりで作ったのかもしれないが、この歌が生まれた時代背景を重ね合わせてみれば“ただのヒット曲”ではなかったことがわかる。
その頃のアメリカといえば、ベトナム戦争に対する不安と不満を持った若者達が世の中に大きな潮流をおこそうとしていた。
ヒッピー文化が花開き、フラワーチルドレンが闊歩した“サマー・オブ・ラヴ”の時代である。
そしてスチューデントパワーやブラックパワーが吹き荒れた政治の季節でもあった。
シンガーソングライターたちは、国の政策に抵抗する歌を作り、多くの若者たちがそのメロデーをくちずさみながら抗議運動に参加した。
従来のヒットソングが生み出される“流れ”から外れたアーティストが、若者たちの支持によって新しい“音楽の価値観”を生み出していった。
そんな時代の真っただ中にサイモン&ガーファンクルもいた。
きっと同じ歌詞を聴いたとしても、リアルタイムでその時代に生きながら耳にした人達の解釈は、きっと特別なものだったに違いない。
歌詞には作者の意図とは別の政治的なメッセージ性が重ねられ、まさに“時代の歌”として受け入れられたのだろう。
ここで歌われている“橋”は、平和への架け橋として当時の若者たちの耳に届いたのだ。
また、邦題ではTroubled Waterが“激流”や“荒波”とは訳されずに「明日に架ける橋」と意訳され、日本人の琴線にもより深く触れる歌となった。
なんと言っても“明日”という言葉には希望がある。


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サイモン&ガーファンクル
『Bridge Over Troubled Water』





こちらのコラムの「書き手」である佐々木モトアキの音楽活動情報です♪
宜しくお願い致します。





【歌ものがたり2023 今夜すべての歌酒場で】

1月14日(土)長崎タンゲ食堂
1月15日(日)佐賀(唐津)DEN
1月20日(金)大牟田BAR LAST NUMBER
1月21日(土)行橋Rock ‘n Roll Bar Memphis
1月22日(日)二日市COFFEE AND CIGARETTES
1月26日(木)福岡(警固)呑処 岡ひろ
1月28日(土)米子 海あに💋
1月29日(日)岡山Record BAR COZY
1月30日(月)兵庫IL grazie伊丹店
2月9日(木)名古屋 ROLLING MAN
2月10日(金)京都Bar USAGI
2月11日(土)浜松Esquerita68
2月12日(日)東海市 Funky LIVE Diner ダイナマイト
2月18日(土)福岡 Bar KINGBEE💋
2月19日(日)大分・宇佐 Michiyard cafe
3月10日(金)札幌 天狼星(ドッグスター)
3月11日(土)札幌 SALINAS💋
3月12日(日)埼玉(北浦和) パラダイスロード
3月25日(土)佐賀 雷神💋
3月26日(日)大牟田 割烹居酒屋てん


↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12733736025.html








【佐々木モトアキ×Keith “唄うたいと雷神” Spring/Summer 2023 Japan Tour #1】


2月3日(金)富山・高岡GOOD FELLOWS
2月4日(土)金沢JealousGuy
2月5日(日)新潟 Live Bar Mush
2月23日(木・祝)広島NANA
2月24日(金)岡山Desperado
2月25日(土)米子 海あに
2月26日(日)松江MUSICA LIBERUM @Miz
3月4日(土)横浜Bar Brixton Market
3月5日(日)静岡・三島 ぐらBar’s
3月16日(木)沖縄・コザ CROSSOVER CAFE’614
3月17日(金)沖縄・那覇 Output
3月18日(土)沖縄・伊江島 Bar’n ZERO
3月20日(月)福岡 Bar KING BEE
3月21日(火・祝)福岡 Bar KING BEE



↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12772950670.html




佐々木モトアキの楽曲「You」のミュージックビデオです♪
映像編集、ポートレート(写真)撮影共に、佐々木モトアキ本人が手掛けております。
とてもシンプルな技法ですが、何よりも登場する皆さんの表情が素敵です✨
人が“目を閉じている”表情。
その“瞼(まぶた)に浮かんでいる”誰かの顔。
繋がってゆく“一人ひとりの想い”が、100通りの、いや1000通りのドラマを描いてくれています。





佐々木モトアキ
執筆、動画編集、音楽・食・商品・街(地域)に関わるPRなどなど…様々なお仕事承ります。

例えば執筆・編集のお仕事として、、、
「ロック」「ジャズ」「ブルース」「R&B」「シャンソン」「カントリーミュージック」「フォークソング」「歌謡曲」「日本の古い歌」など、ほぼオールジャンルのページ企画・特集に対応いたします。
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音楽、人、食、商品、街(地域)…私たちが関わるものすべてには“ものがたり”があります。
あらゆるものに存在する、ルーツや“人の想い”を伝えながら「誰が読んでもわかりすい読み物」をお作りいたします✒︎
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【佐々木モトアキ プロフィール】
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