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友川カズキ物語〜デビューまでの道のり、映画“戦メリ”の主役を蹴った過去、怒れる詩人としての信念

2022.04.30

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1980年代の初頭、映画監督・大島渚はある無名のシンガーソングライターを呼び出した。
それは新作映画への出演依頼だった。
しかも主役という大抜擢。
共演者はデヴィッド・ボウイだという。
ただし、出演にあたって一つだけ条件があったという。
それは“秋田なまり”を直すことだった。

「なまりを直す気はありますか?」

監督にこう問われた男は、なんの躊躇もなく答えた。

「ありません。」

数ヶ月後…彼の代わりに坂本龍一が抜擢され映画『戦場のメリークリスマス』はクランクインした。


ビッショリ汚れた手拭いを
腰にゆわえてトボトボと
死人でもあるまいに
自分の家の前で立ち止まり
覚悟を決めてドアを押す
地獄でもあるまいに
生きてるって言ってみろ
生きてるって言ってみろ
生きてるって言ってみろ


その男の名は友川カズキ。
1974年のデビュー以来「友川かずき」として活動をしてきたが、2004年から名前をカタカナ表記にして活動をしている。
本名は及位典司(のぞきてんじ)。
1950年生まれ(現在66歳)の秋田県生まれで、中学時代に詩人・中原中也の作品に衝撃を受けて詩の創作を始めたという。
1969年、19歳のときに集団就職で上京する。
彼の物語はここから始まった。

「高校を卒業して浅草の婦人服店に就職したんですが、半年しか続かなかったね。秋田なまりが強いのに接客をやらされたもんだから。最初のうちはなまりを直そうと努力したんですけどね…。トイレに隠れて“いらっしゃいませ”って何度も練習しました。でも、やっぱりダメだった。サラリーマンには向いてなかったみたいだね。そもそも、婦人服店に就職した理由ってもの、東京へ出るのが目的だったし。」

その後、新聞配達や喫茶店のボーイなどアルバイト先を転々とするが、最終的には日給のよい土木作業員をすることが多かったという。
自分の名を「友川かずき」と名乗ったのもこの頃からだった。
なぜ偽名を名乗ったのか?

「本名の及位(のぞき)ってのをいちいち笑われて面倒だったから…。」

そんな中、彼は行きつけの赤提灯で岡林信康の歌を初めて耳にする。
それは「三谷ブルース」と「チューリップのアップリケ」だった。


今日の仕事はつらかった
あとは焼酎をあおるだけ
どうせどうせ山谷のドヤ住まい
他にやることありゃしねえ



うちのお父ちゃん 暗いうちからおそうまで
毎日くつを トントンたたいてはる
あんな一生懸命 働いてはるのに
なんでうちの家 いつも金がないんやろ
みんな貧乏が みんな貧乏が悪いんや



「それまでフォークソングっていうのは、単に耳触りのいい音楽だと思ってた。でも、岡林さんの歌は全然違った。当時、僕は練馬の飯場にいましたから、その歌詞があまりに生々しくて、悲しくてね…。」

彼にとってそれはまさに“青天の霹靂(へきれき)”だった。
その後、中学校から書き溜めていた詩に曲をつけようと知人からギターを借りてくるも…弾き方がわからない。
すぐに『一週間独習法』という本を買ってきて独学でギターを練習したという。
程なくして、彼はバイト先で知り合いになったあがた森魚と一緒に中津川フォークジャンボリーに行って無謀にもサブステージでの飛び入り出演を実現させる。

「あがたはけっこうウケてましたけど、僕はかなり野次られましたよ(笑)当時フォークジャンボリーに来ていたお客さんって、かなり厳しい人たちできたからね。」

ステージから降りると、あがたはレコード会社のディレクターから名刺をもらって、数ヶ月後にデビューを果たす。
誰からも名刺をもらわなかった彼は、自分で『新譜ジャーナル』など脈がありそうなところにデモテープを持ち込んだ。
結果は惨敗。
フォークシンガーになるという夢をひとだび捨てた彼は、故郷の秋田に戻り、学生時代に青春のすべてを捧げたバスケットボールの指導者を目指す。
ところが、わずか一年で「自分は指導者に向いていない。」と言い残して、再び歌うために東京へと舞い戻ってしまう。
土木作業員をしながらライブハウスやレストランで歌わせてもらう生活を送るようになる。

「当時、蒲田に“十八番”っていうイタリアンレストランがありましてね、そこで歌わせてもらっていたんですが、宇崎竜童さんが時々いらしてたんですよ。何がよかったんですかねぇ……宇崎さんが僕の歌を気に入ってくれて、すごく後押ししてくださったんです。」

それをきっかけに彼はとうとう東芝EMIと契約を結び、1974年に「上京の状況」という歌でレコードデビューを果たす。


そして同年、宇崎竜童がアレンジを手掛けた名曲「生きているって言ってみろ」をリリース。
彼はそんなデビュー当時のことをこう振り返る。

「もう有頂天ですよ。生意気盛りの歳(24歳)でしたから、いっぱしの芸能人気取りでね(笑)でも、現実はそう甘くありませんでした。この2枚のレコードがまったく売れなかったんです。いくら宇崎さんのバックアップがあるといっても、レコード会社も商売ですからね…2枚で終わりでした。」


その後、宇崎の力を借りて徳間音工に移籍をする。
そこで『やっと一枚』というタイトルのアルバムを、やっとのことでリリースする。
しかし…結局そのアルバムも売れなかった。
──以降、彼は“売れないまま”歌い続けている。

「売れないと食えないから、ほとんどの人がやめちゃんんですけど、僕はやめなかった。」

彼は、どんなに生活が苦しくても詩を書いて歌い続けてきた。
画家としての顔も持ち、個展を開くようにもなる。
何らかの手段で自己表現をしたくてたまらないのだという。

「すべての曲や作品に共通しているのは“怒り”です。中也も怒っていた。詩とは自分自身と喧嘩することだと言ってますからね。」

「近況ですか?酒、煙草、競輪…何も変わったことはありません。」

【友川カズキ・オフィシャルサイト】
http://kazukitomokawa.com/j/


<引用元・参考文献『フォークソング―されどわれらが日々』文藝春秋>

419XJKHYGQL

友川かずき 『ゴールデン☆ベスト』

(徳間ジャパンコミュニケーションズ)






こちらのコラムの「書き手」である佐々木モトアキの音楽活動情報です♪
宜しくお願い致します。










【佐々木モトアキ×Keith “唄うたいと雷神”】

6月18日(土)金沢JealousGuy
6月19日(日)富山・高岡GOOD FELLOWS
6月25日(土)高円寺MOONSTOMP
7月22日(金)青森Be on café 222
7月23日(土)岩手・二戸 HOUSE OF PICNIC 
7月24日(日)秋田Yuki’s Hookah Bar(昼公演)
7月24日(日)秋田Yuki’s Hookah Bar(夜公演)

↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12733597546.html






【歌ものがたり2022 雨ニモマケズ風ニモマケズ】


5月3日(火・祝)福岡・みやま市 暖古扉(だんぶるどあ)
5月4日(水・祝)大分・日田Chewing Gum
5月14日(土)横浜Bar Brixton Market
5月15日(日)静岡・三島 ぐらBar’s
5月21日(土)群馬・前橋 呑竜横丁 
5月27日(金)名古屋ROLLINGMAN
5月28日(土)和歌山OLD TIME
5月29日(日)大阪 大きな輪
6月3日(金)小倉Bar Disa
6月4日(土)福岡Bar KINGBEE
6月5日(日)行橋Rock ‘n Roll Bar Memphis
6月10日(金)広島Jammin’ bar
6月11日(土)広島・呉Albatross
6月12日(日)岡山Record BAR COZY
6月17日(金)新潟Gallery Bar Veronica
6月18日(土)金沢JealousGuy
6月19日(日)富山・高岡GOOD FELLOWS
6月25日(土)高円寺MOONSTOMP
7月2日(土)北九州・黒崎 居酒屋 中村屋
7月3日(日)大分・宇佐 音小屋REBOOT
7月8日(金)福岡Bassic Rock Fes. 2022前夜祭@graf
7月9日(土)佐賀 雷神 
7月10日(日)長崎 タンゲ食堂
7月16日(土)米子Music Bar Hana Hana
7月17日(日)鳥取LOVE FLASH FEVER
7月18日(月・祝)松江B1
7月22日(金)青森Be on café 222
7月23日(土)岩手・二戸 HOUSE OF PICNIC 
7月24日(日)秋田Yuki’s Hookah Bar(昼公演)
7月24日(日)秋田Yuki’s Hookah Bar(夜公演)
7月30日(土)静岡・御前崎Cook House椿
7月31日(日)愛知県・東海市Funky LIVE Dinerダイナマイト
8月6日(土)東京(調布市)柴崎RATHOLE



↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12733736025.html





佐々木モトアキの楽曲「You」のミュージックビデオです♪
映像編集、ポートレート(写真)撮影共に、佐々木モトアキ本人が手掛けております。
とてもシンプルな技法ですが、何よりも登場する皆さんの表情が素敵です✨
人が“目を閉じている”表情。
その“瞼(まぶた)に浮かんでいる”誰かの顔。
繋がってゆく“一人ひとりの想い”が、100通りの、いや1000通りのドラマを描いてくれています。





佐々木モトアキ
執筆、動画編集、音楽・食・商品・街(地域)に関わるPRなどなど…様々なお仕事承ります。

例えば執筆・編集のお仕事として、、、
「ロック」「ジャズ」「ブルース」「R&B」「シャンソン」「カントリーミュージック」「フォークソング」「歌謡曲」「日本の古い歌」など、ほぼオールジャンルのページ企画・特集に対応いたします。
ライブイベントの紹介・宣伝文や、アーティストの紹介文なども対応できます。
音楽以外のライティングとして、WEBページの作成・リニューアル、各種パンフレット作成に伴う「店舗のご紹介」「メニューご紹介」「企業・会社のご紹介」「商品のご紹介」などなど様々なPRに関わるお仕事も承ります。


音楽、人、食、商品、街(地域)…私たちが関わるものすべてには“ものがたり”があります。
あらゆるものに存在する、ルーツや“人の想い”を伝えながら「誰が読んでもわかりすい読み物」をお作りいたします✒︎
お気軽にご依頼のご相談・ご連絡ください♪
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090-2669-2666

【佐々木モトアキ プロフィール】
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12648985123.html

【TAP the POP佐々木モトアキ執筆記事】
http://www.tapthepop.net/author/sasaki





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