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TAP the NEWS

歌と流行語〜時代をうつす鏡のように〜

2013.12.01

♪「上を向いて歩こう」/ベン・E・キング
作詞:永六輔
作曲:中村八大

上を向いて 歩こう
涙が こぼれないように
思い出す 春の日
一人ぽっちの夜

上を向いて歩こう
にじんだ 星をかぞえて
思い出す 夏の日
一人ぽっちの夜

幸せは 雲の上に
幸せは 空の上に

上を向いて 歩こう
涙が こぼれないように
泣きながら 歩く
一人ぽっちの夜

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『Dear Japan,上を向いて歩こう』
2011年11月16日発売/¥2,500(税込)/ユニバーサルミュージック
「スタンド・バイ・ミー」のオリジナルである“グローバル・ソウル・レジェンド”、ベン・E・キングが、 東日本大震災の悲報に強く胸を痛め「日本の人々を元気づけたい」という思いを込めたアルバム。

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[流行語]ある時期、多くの人々の間で盛んに使われる語や言い回し。はやりことば。(大辞泉)

言葉や歌には、流行(はやり)廃り(すたり)がある。
日本には、平安時代に“狂歌(きょうか)”と呼ばれる大衆文芸があった。
それは今でいう“流行語”の元祖のようなもので、狂歌師(放送作家やコピーライターのような人たち)によって作られていたという。
今や毎年12月上旬の風物詩ともいえる『ユーキャン新語・流行語大賞』は1984年に創始されたもの。
この賞は、1年の間に発生したさまざまな「ことば」のなかで、軽妙に世相を衝いた表現とニュアンスをもって、広く大衆の目・口・耳をにぎわせた新語・流行語を選ぶとともに、その「ことば」に深くかかわった人物・団体を毎年顕彰するもの。
選考委員会は、姜尚中(作家・聖学院大学全学教授)、俵万智(歌人)、鳥越俊太郎(ジャーナリスト)、室井滋(女優・エッセイスト)、やくみつる(漫画家)、箭内道彦(クリエイティブ・ディレクター)、清水均(『現代用語の基礎知識』編集長)で構成される。

その“流行語”が、いつしか“スタンダード”になった例もある。
我々が普段口にしている「彼氏」や「ノーコメント」は、当時“流行語”として生まれたものだった。
そもそも「彼氏」は、今から80年以上前の1929年に流行した言葉だ。
昔から一般語として「彼」は使われていのだが、その年に刊行された『漫談集』のなかで、漫談家の徳川夢声が三人称の男性の代名詞として「彼氏」を用いた。
その後、恋人の男性の意味として使われるようになったという。
また、政治の世界でも時々耳にする「ノーコメント」は、1951年のサンフランシスコ講和条約でロシアの要人が使っていたのを、当時の首相・吉田茂が持ち帰ったもの。

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時代をうつす鏡のように“新しい感覚”の象徴として生まれた言葉が、時を経て、こうして“スタンダード”になっていく様は、歌の世界でも同じ。
その代表的な歌が「上を向いて歩こう」だ。
曲が生まれた1961年、日本は高度経済成長期の真っ只中にあった。
戦争が残した深い傷を背負いながらも…人々は日本の未来に希望を持って懸命に生きていた。

悲しみは 星のかげに
悲しみは 月のかげに

上を向いて 歩こう
涙が こぼれないように
泣きながら歩く
一人ぽっちの夜
一人ぽっちの夜

その歌詞とメロディは、当時“新しい感覚”の歌として人々の心を掴んだ。
そして、奇跡的な偶然が重なり“世界で一番有名なジャパニーズ・ソング”となった。
その後も、日本が大きな災害などにみまわれる度に、我々の気持ちを励まし、勇気づけてくれる“日本で一番有名なスタンダード・ソング”として人々に愛され続けている。

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書籍『上を向いて歩こう』(佐藤剛 著)
2011年7月13日発売/¥2,100(税込)/岩波書店
「上を向いて歩こう」は戦後復興のなか、どのように生まれ育まれ、世界の「SUKIYAKI」になったのか。中村八大、永六輔、坂本九の物語、その他多くの関係者への取材とともに、昭和という時代の息づかいを追いながら、音楽プロデューサー・佐藤剛が書き下ろすヒューマン・ドキュメント。2011年3月11日以降、この歌は、再び、多くの人に口ずさまれている。そんな永遠のスタンダードナンバーの軌跡を綴った決定版!

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