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Black Coffee〜なんとも言えない“女心”をあらわしたジャズの名曲〜

2016.12.11

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ひどい孤独に襲われて一睡もできやしないわ
部屋を歩き回ってはドアを見つめる
そしてその間に飲むのはブラックコーヒー

恋とは使い古しのホウキのようなもの
この部屋には日曜なんてやってこない
影を話し相手に夜中の1時から4時
神様、何でこんなにも時間がかかるのよ…
ブラックコーヒーを注ぐだけなのに


この「Black Coffee」は1948年にコロンビアレコードに移籍したサラ・ヴォーンのために書かれた楽曲だ。
クレジットにはポール・フランシス・ウェブスターとソニー・バークの共作と記されている。
これまでも多くのジャズシンガーたちがレパートリーとしてきた名曲である。
日本では1952年(昭和27年)にペギー・リーが歌ったバージョンがヒットした。


3分ちょっとという短い曲の中に、なんとも言えない“女心”をあらわした上質な比喩が凝縮されているのだ。
この歌の主人公は“訳あり”の男と女の関係にあって、自由に思いのまま“あの人”を愛せない立場なのだろう…。
解釈の仕方によっては、すでに失恋している状況とも取れる。
とにかく愛しい“あの人”が近頃はまるで自分のところに来てくれないのだ。
恋を“使い古しのホウキ”と表現し、この部屋には“日曜日は来ない”と言う。
主人公の女性にとって、日曜日とは“家庭で楽しく過ごす時間”の代名詞なのだろう。
主人公の情念をブラックコーヒーを使って表現したところが、当時は斬新だったという。

憂鬱があたしの瞳に取り憑くから
月曜は日曜の涙を乾かすのに忙しい
男は恋を追い求めるために生まれ
女は泣き暮らすために生まれる
そして女は家で待ち、オーブンの番をしながら
引きずる後悔をコーヒーと煙草で紛らわす

虚ろに朝を過ごし涙で夜を迎える
昼は煙草を吸いコーヒーを流し込み
地に着くかのように気分は落ち込み
あなたが戻ってくるのを待ちながら
あたしの精神はめちゃくちゃになり
髪は白髪へと変わってゆく
あたしのすることといったら
ブラックコーヒーを飲むことだけ
あの人が去って行ってからは…




<参考文献『いつか聴いた歌』/和田誠(愛育社)>

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