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悪女〜中島みゆきのヒット曲がもたらした反響と影響〜

2017.03.19

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マリコの部屋へ電話をかけて
男と遊んでる芝居続けてきたけれど
あの娘もわりと忙しいようで
そうそうつき合わせてもいられない

土曜でなけりゃ映画も早い
ホテルのロビーもいつまで居られるわけもない
帰れるあてのあなたの部屋も
受話器をはずしたままね話し中

悪女になるなら月夜はおよしよ素直になり過ぎる
隠しておいた言葉がホロリこぼれてしまう「行かないで」
悪女になるなら裸足で夜明けの電車で泣いてから 
涙ホロホロホロホロ流れて涸れてから



中島みゆきにとって1977年にリリースした「わかれうた」以来のオリコンチャ-ト第1位となったのがこの「悪女」だった。
それは彼女が29歳を迎えた1981年のことだった。
11作目のシングルとして発売されたこの歌は80万枚を超えるセールスを記録し、彼女の人気を不動のものにした。
当時、あるインタビューで彼女はこの楽曲の反響に対してこんな発言をしている。

「“悪女”が売れたっていうからさ、不思議でしょうがないわけ。私は売れないんじゃないかと思ってましたから(笑)わかんないものですね…。でもジャケットはいいでしょ?最近のカメラマンは修正が上手いからね(笑)見合い写真に使いたいな(笑)」

この曲を担当したポニーキャニオンのプロデューサー渡辺有三は、当時をこんな風に振り返る。

「あの曲の大ヒットによって、みゆきさんがスターとなり、それまでアマチュアの登竜門として認識されていたポプコンが金になるアーティストを捜すための“歌の甲子園”としてクローズアップされるようになってきました。」



歌詞の内容は、交際中だが浮気にはしる男性とそれを知り自ら嫌われるよう仕向ける女性の様子と心情を見事に表現している。彼女は歌詞の冒頭に“マリコ”という女性を登場させた理由について、発売当時オールナイトニッポンこんな説明をしたという。

「歌詞に女の人の名前を入れるのが好きだったんです。」

そんなシンプルな理由で登場した“マリコ”に対して、翌1982年に彼女と同い歳でもあるライバル歌手さだまさしは自身のアルバム『夢の轍』にアンサーソングとも言える「まりこさん」というタイトルのユニークな楽曲を収録した。
両ファンの間では大ヒット曲「悪女」のスピンオフ的な歌として愛されている。

夜中に目が覚めたら 
まりこさんがベットの端(はし)に腰かけて身繕いをしていた
酒に張り倒されて 起きられ〜ない僕 横目で笑って
「ビールもらうわ〜」と冷蔵庫あけて
なみ・なみ・なみとグラスに注いで 
まるで薬あけるように飲み干して
大きなため息を 遠慮なしに吐いて 
それから下着姿でソファに腰かけて
身体のあちこちの 青アザやバンドエイドを数えながら
「寂しい…」とつぶやく




女のつけぬコロンを買って
深夜の茶店(サテン)の鏡でうなじにつけたなら
夜明けを待って一番電車
凍えて帰ればわざと捨て台詞

涙も捨てて 情けも捨てて
あなたが早く私に愛想をつかすまで
あなたの隠す あの娘のもとへ
あなたを早く渡してしまうまで  

悪女になるなら月夜はおよしよ素直になり過ぎる
隠しておいた言葉がホロリこぼれてしまう「行かないで」
悪女になるなら裸足で夜明けの電車で泣いてから 
涙ホロホロホロホロ流れて涸れてから



<参考文献『フォーク名曲事典300曲』/富澤一誠(ヤマハミュージックメディア)>

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