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愛のファンタジー〜アラフィフ世代が思わず“胸キュン”してしまう珠玉の旋律

2022.08.25

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1980年、クロード・ピノトー監督によるフランンス映画『ラ・ブーム』が公開された。
本国のフランスでは入場者数400万人を超える大ヒットを記録し、“社会現象”とも云われる作品となった。
ドイツ(当時の西ドイツ)・イタリア・スイスなどヨーロッパ各国や日本(1982年公開)を含むアジアでも大ヒットとなり、同時期に上映していた作品『スターウォーズ・帝国の逆襲』を抑えての(入場者数)1位を記録するほどの人気ぶりだったという。
当時13歳で700人の中から選ばれた女優ソフィー・マルソーのデビューが鮮烈にデビューした作品でもあり、当時フランスはもちろん日本をはじめとする外国でも彼女は“新時代のアイドル”として爆発的な人気を集める存在となった。
そして映画と同時にミリオンヒットとなったのは主題歌の「Reality(愛のファンタジー)」だった。
歌ったのはフランス人の母から生まれた英国出身の歌手リチャード・サンダーソン(当時27歳)。
作曲は映画『ラ・ブーム』のサウンドトラックも担当したウラジミール・コスマという人物で、フランス映画音楽界では大御所中の大御所だという。
この楽曲は映画の大ヒットと共に、全世界で800万枚のヒットを記録。
劇中で青年マチューが主人公ヴィック(ソフィー・マルソー)の耳にヘッドホンをかけるシーンが大きな話題となった。
使用された“SONYウォークマン”は、作品公開の前年1979年に発売されたもので、こちらも映画の人気と共に世界的なヒット商品となった。

<伝説のヘッドホンシーンはこちら>

それまでのフランス映画の歴史にはあまり前例のなかった、英語詞の楽曲が主題歌になるというところからも“80年代の幕開け”を感じさせる新鮮さに溢れる作品だった。
日本ではハート型をしたピンクのレコードが売り出され、当時のティーン達にとっても忘れられない音楽体験となったという。
映画『ラ・ブーム』、ソフィー・マルソー、SONYウォークマン、そしてハート型のレコード…アラフィフ世代にとって、まさに“胸キュン”の想い出と共によみがえる珠玉のメロディーなのだろう。

<引用元・参考文献『ポップ・フランセーズ名曲101徹底ガイド』向風三郎(音楽出版社)>


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