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Please Mr. Postman〜モータウン史上“初のチャート1位”を獲得した名曲

2024.02.10

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洋楽ファンのみならずとも一度は耳にしたことがある歌ではないだろうか?
今にも踊りだしたくなるリズムに、心がワクワクしてくるような掛け合いのメロディー♪
ビートルズやカーペンターズがヒットさせたことでも有名なこの楽曲。
オリジナルを歌ったのは誰?と問われると、意外と知らない人が多いという。
この「Please Mr. Postman」は、1961年にモータウンレコードからデビューした女性グループ“ザ・マーヴェレッツ”のデビュー曲としてリリースされたのが初出。
60年代以降、アフリカ系アメリカ人が所有するレーベルとしてダイアナ・ロス率いるシュープリームスやジャクソン5、テンプテーションズ、スティーヴィー・ワンダーなどのアーティストを輩出し大成功をおさめたモータウンにとって、この歌は“初のビルボードチャート1位”に輝いた記念すべき楽曲なのだ。
曲の原案を作ったのは、デビュー前にマーヴェレッツを脱退したジョージア・ドビンスで、クレジットには”Dobbins-Garrett-Garman-Brianbert”と記されている。
(※”Brianbert”とはBrian HollandとRobert Batemanのプロデューサーコンビとしての名義)
歌詞には、戦場に行ってしまった恋人からの手紙を待ち続ける切ない女性の気持ちが綴られている。

ちょっと待って、郵便屋さん!
お願いだからちょっと待ってよ!
ねぇ郵便屋さん、見てみて
私宛の手紙が入っていないかしら?
ねぇお願いよ、郵便屋さん
ボーイフレンドから便りを聞くのに
なぜこんなに時間がかかるのかしら?



マーヴェレッツが快挙を果たした2年後…この歌をビートルズがアルバム『With the Beatles』(1963年)に収録した。
この選曲は、当時ビートルズが所属していたEMIがモータウンの英国内販売権を獲得したことへのプロモーションを兼ねていたともいわれている。
もちろんメンバーがマーヴェレッツのファンだったということも選曲の大きな理由である。
リードヴォーカルはジョン・レノンが担当し、ポール・マッカートニーとジョージ・ハリスンを交えた3人が掛け合いのコーラスを歌っている。
当時、飛ぶ鳥を落とす勢いだった“ビートルズらしい”演奏とコーラスワークで、素晴らしいテイクが録れていたにも関わらず…英米ではシングルカットされなかったため、彼らのバージョンが(1963年の)ビルボードチャートに登場することはなかった。
しかし、翌1964年に彼らが本格的にアメリカ進出を果たして大成功をおさめるやいなや、日本を含む様々な国でシングルカットされ各国のチャートを賑わすこととなる。
そんなビートルズヴァージョンの「Please Mr. Postman」を聴いて育ったカーペンターズが、1974年に同曲をシングルとして発売し、ビルボードチャート1位に輝く。


<引用元・参考文献『ロック&ポップス名曲徹底ガイド①』音楽出版社>



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【TAP the POP佐々木モトアキ執筆記事】
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