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浜田ケンジ独占ロングインタビュー〜笑福亭鶴瓶の説教!?路地裏でコソコソやるな!表通りに店出さんかい!!

2017.08.20

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一生懸命歌う事です。
続けたくても続けれない人や、一線から退いた友達を沢山見てきました。
僕は“やりたい事をやって生きて行く”と思ってやってたんですが、それは勘違いで、“やりたい事をやらせて貰ってる”と気がつきました。
それを感じるようになるまでに時間はかかりましたが、気がつくのと気がつかないのは“大きな差”があると思ってます。


表現者として、この“大きな差”の本当の意味を理解して活動しているアーティストがどれくらいいるだろうか?
感謝の気持ちがあるからこそ“本気の言葉”で世の中に本気で噛みついて歌う。
美辞麗句じゃない“本気の歌”を唄うためにステージに上り、聴く者の心を鷲掴みにする男がいる。


彼の名は浜田ケンジ。
37歳のシンガーソングライターだ。
愛知県江南市出身の彼は、3ピースロックバンドRATのヴォーカリスト/ギタリストとして活動する傍ら、2012年頃から本格的に弾き語りライブを始める。
映画『ソラニン』(2010年)に出演や、俳優の伊勢谷友介が監督をした作品『セイジ-陸の魚-』(2011年)に出演&楽曲提供するなど活躍の場を広げている。
数年前に出会ったという噺家の笑福亭鶴瓶がパーソナリティーを務めるラジオ番組にゲスト出演し、その歌唱と楽曲を絶賛されている。
ストレートな言葉をメロディーに乗せて歌ったり喋り倒したり、
実に人間味溢れる歌世界、喜怒哀楽に満ちた歌声、時には落語をリズムに乗せて歌ってみたり…その独特でユーモラスなスタイルに触れた人の多くは心を奪われるという。
全国のライブハウスや酒場を歌い周り…いつの間にか(彼の音楽に)つけられたジャンルは“New Wave 演歌”。
そんな彼がこの夏(2017年7月27日)弾き語り2ndアルバム『Ready or not.here I come!!!』をリリースした。
座右の銘を訊けばキッパリとこう言い切った彼。

“表通りに店を出せ”です。


彼が目指す“表通り”とは一体どんな場所なのだろう?
今回、TAP the POP独占ロングインタビューに答えていただきながら彼の魅力・新作の聴きどころをたっぷりとご紹介させていただきます。

Q:まず最初に「歌おう!」「音楽で自分を表現しよう!」と思ったきっかけを聞かせて下さい。

幼少期の頃から周りの人達に「声が変」とか「ガラガラ声」とイジメられた事があって、自分の声はみんなと違って変なんだ、嫌だなと思ってました。
14歳の時に、おじいちゃんの家の押入れの中にフォークギターを見つけて触ったのがギターを始めたキッカケなんですが…自分の声に対するコンプレックスがずっとあったので「歌は絶対に唄いたくない!」と思ってましたね。
中学の時に音楽室で発表会をやる時も友達に「ギターは弾くけど唄いたくないから、お願いだから歌を唄って!」と無理矢理頼んで発表会に出たのを憶えてます。
高校や高校卒業してからカヴァーバンドをやっていた事はあるんですが、自分で作った曲をバンドで演奏するという事はなかったんです。


Q:そんな少年がどうして“歌の道”を歩むようになったのですか?

18歳から24歳までバンドが練習する音楽スタジオの店長をやっていたんす。
22歳ぐらいの時ですかね…スタジオのお客さんに「うちのバンドでギター弾かないか?」と誘われました。
僕のギタープレイもライブも見た事がないのに何で誘ってくるのかな?と疑問に思ったのでその人に聞いたら「普段、待合室でずっとギター弾いとるやん!それをメンバーと聴いててね。」ということだったらしく。
僕は結構人見知りなので、ほとんど話をした事もない人の中に入ってバンドをやるのにはめちゃくちゃ抵抗がありました。
でも、やらないよりはやった方が良いと思ってそのバンドに加入しました。
基本はボーカルの奴が曲を書いてたんですけど、ある日「ケンジも曲を書いて来ていいよと言われたんです。
それで僕の作った曲をライブでやる事になったんですが…ライブ中になにか違和感を感じたんです。
何なんだろう?と考えた時に気がついたのが、自分の作った曲を他人が歌ってる事に対しての違和感だとわかったんです。


「自分で作った曲は自分で歌うべきだ!」


その出来事が歌であらゆる事を表現してみたいなと思ったキッカケです。
その後、自分がヴォーカルになって歌い始めると周りから「良い声だね」「カッコいい声だね」と言われ始めたんです。
あれ?自分の声は変な声じゃないんだ、良い声なんだ、歌っていいんだと思った時は嬉しかったです。



Q:今回のアルバムでリード曲となった「表通り」という楽曲を書こうと思ったきっかけは?

この曲は噺家の笑福亭鶴瓶さんに感謝の気持ちを込めて作った曲なんです。
初めて鶴瓶さんのラジオ番組に出させて貰った時に「路地裏でコソコソやるな!表通りに店出さんかい!!」と、愛のある説教をしていただきました。
音楽の世界で何とか伸し上がりたいと思っている僕に「いつも笑えよ!諦めるなよ!人生って楽しいぞ!表通り=世の中に出て行って多くの人と出会い、それから色んな事が動き出すんだぞ!」と言ってくれました。

この曲の前半では、気に入らない事や気に入らない人の事を言いまくろうと思いました。
この前半も、それに続く後半もすべて僕が感じている(感じてきた)本当の気持ちです。
嫌な事や気に入らない事、そう言うことはこの先まだまだ沢山あるぞ!
その中で生きて行くんだぞ!
ブレるなよ!諦めるなよ!人を羨ましく思うなよ!
人は人、自分は自分のやり方が必ずある筈なんだ!
全体を通じてそんな気持ちを歌詞に込めました。
そして鶴瓶さんが僕に言ってくれた言葉を付け加えて完成しました。
この歌の最後に「諸行無常、埋れ木に花が咲く、淵に臨みて魚を羨むは退いて網を結ぶに如かず、君子の交わりは淡きこと水の如し…」と、ことわざを並べてるんですが、頭文字を縦に読むと“しょうふくていつるべ”になっているんです。
先日、この歌を本人の前で歌う機会がありました。
本人を目の前にして「表通り」を歌うのはちょっぴり恥ずかしくもあったんですが、聴いてくれた後に鶴瓶さんが喜んでくれてたので嬉しかったです!



Q:『Ready or not.here I come!!!』というタイトルに込めた想いを聞かせて下さい。

『Ready or not.here I come!!!』とは、英語圏の国の子供達が“かくれんぼ”の時に使う言葉なんです。
みんなが隠れるまでに鬼が数をかぞえるじゃないですか?
かぞえ終わった後に鬼が「Ready or not.here I come!!!」と叫んで探し始める感じ。
「こっちの準備は整ったよ!さぁ!お前たちを探しに行くぞ!!」ってね。
なので「アルバムを作ったぞ!さぁ!これからツアーに行ってみんなに会いに行くぞ!」という気持ちを込めて今回のタイトルをつけました。


浜田ケンジ『Ready or not.here I come!!!』

(2017/FIRE RECORD)


Q:今回のアルバムの聴きどころを教えて下さい。

この聴きどころは、人の詩に曲をつける事にも挑戦したところです。
友達の詩に曲をつけたりした事はあるんですが、今回は詩人・中原中也の詩に曲をつけてみよう!と考えました。
以前のツアーで中原中也の生まれた街(山口県)を訪れたんです。
リハを終えて本番までの時間に街をブラブラしていたら、中原中也記念館の看板が目に飛び込んで来たんです。
閉館時間ギリギリだったんですが、急いで中に入って彼の詩をあらためて(まじまじと)読んだときに…この人の詩って歌詞だなと感じました。
もうメロディーがついてる。
そんな感覚に陥ったんです。
彼の代表作といえば「汚れつちまつた悲しみに」や「サーカス」。
それに歌詞をつけるのもアリかなと思ったんですが…詩を読んでいるうちに「アバズレ女の亭主が歌った」という強烈なタイトルが頭から離れなくなりました。
自分の中で「これだぁぁぁ!!!」と勝手にテンションが上がり、独りよがり極まり無い感じで作り始めたら直ぐに出来たんです。
本当に直ぐに出来たんですよ!
一瞬自分が天才かも?!って思うぐらい直ぐに出来たんですが、良い詩にはもうメロディーがついている。
これだったんですね。
中原中也の詩が僕がこういうメロディーで歌うように導いてくれたんだなと思いました。
一瞬でも「自分は天才なのでは?」と思った自分を殴り飛ばしたかった瞬間でもありました(笑)



Q:アルバムの3曲目に収録されている「忘れられた子供たち」には、特別な創作エピソードがあると聞いたのですが?

この曲は漫画家の松本大洋さんの作品『Sunny』に感銘を受けて作った曲なんです。
松本大洋さんの作品はほとんど持ってるんですが、この『Sunny』は僕の中では別格に好きな作品です。
物語の舞台は大阪。
児童養護施設での話なんです。
訳あって親と暮らせない子供、親に捨てられた子供、養子待ちをしている子供、そんな子供たちを中心にストーリーが展開されていくのですが…切なくもあり、面白くもあり、登場する子供達の日常や心模様にどんどん惹きこまれていきました。
『Sunny』の世界観を歌で表現出来ないかな?と思って作りました。
いつかは松本大洋さん本人にこの曲を聴いて貰いたいと思っています。
CDのジャケットを松本大洋さんに描いて貰えたらションベンちびりますね!(笑)
近々、松本大洋さんに手紙とCDを送ろうと思ってますが、気持ち悪がられないかが心配です(笑)



松本大洋『Sunny』コミック 全6巻完結セット

(小学館)


Q:その他に今回はカヴァー曲をはじめ色んなタイプの楽曲を収録してるとか?

60年代に流行った「東京ドドンパ娘」をカバーしたり、絵描き歌の「可愛いコックさん」に違うメロディーと歌詞をつけ加えて歌ったり、ラブソングを歌ってみたり、友達の事を思って作った曲などなど…内容的には盛り沢山ですね。
その日その日に合った曲を聴いて貰えたらと思ってます。


1.秘蔵空論
2.表通り
3.忘れられた子供たち
4.ししゃも
5.東京ドドンパ娘
6.可愛いコックさん
7.CANDY STOREの前で
8.今夜のお月様のように
9.call me
10.アバズレ女の亭主が歌った
11.お前誰だよ
12.罪と罰
13.愁然
14.気楽に行こうぜ
15.ATANI-HAROS
16.拝啓ロックスター


Q:弾き語りのステージを通じて、これまでこだわってきたこと、これからもこだわり続けていきたいことがあれば聞かせて下さい。

こだわりは一生懸命歌う事です。
今まで生きて来て僕は何かとサボってばっかりだっので、せめて音楽だけは一生懸命やろうと思ってます。
続けたくても続けれない人や、一線から退いた友達を沢山見てきました。
僕は“やりたい事をやって生きて行く”と思ってやってたんですが、それは勘違いで、“やりたい事をやらせて貰ってる”と気がつきました。
それを感じるようになるまでに時間はかかりましたが、気がつくのと気がつかないのは“大きな差”があると思ってます。
歌える場所、歌う場所を用意してくれる人、歓迎してくれる人、僕の作品を買ってくれる人、そういう人達や友達に僕は支えられて活動が出来てるんだなと。
だから僕は一生懸命歌う事で応援してくれてる人達に恩返しをしようと思ってます。
1日でも早くみんなに自慢して貰えるような歌うたいになりたいですね。



また、今回彼がリリースしたCDの帯には俳優の駿河太郎がこんな推薦コメントを綴っている。

「育ってきた環境も、歩いてる道も違うけど…貫いている意思は一緒や。だから好きやねん。」


駿河太郎といえば前掲の笑福亭鶴瓶の息子である。
そんな彼が出演した浜田ケンジのミュージックビデオ「僕は馬鹿になった」も必見必聴の作品である。(2016年7月リリース・アルバム『SHOP IN THE STREET』より)



【浜田ケンジ オフィシャルサイト】
http://kenji-hamada.com

【公演スケジュール】
http://kenji-hamada.com/live





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