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防人の詩〜さだまさしが万葉集を基にして紡いだ究極の反戦ソング

2022.12.16

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尊い命、そして平和への想いを込めて…今日は、さだまさしの名曲「防人の詩」をご紹介します。
この歌は日露戦争の旅順攻囲戦における日露両軍の攻防を描いた東宝映画『二百三高地』の主題歌として1980年7月10日に発売された。
海、山、空、季節、そして人間…すべてのものに宿る生命の限り、命の尊さを切々と歌い上げたその歌詞は奈良時代の末期に成立したと言われている『万葉集』の第16巻第3852番に基づいて作られたという。

鯨魚取 海哉死為流 山哉死為流 死許曽 海者潮干而 山者枯為礼

鯨魚(いさな)取り 
海や死にする 
山や死にする 
死ぬれこそ 
海は潮干て 
山は枯れすれ


(大意:海は死にますか?山は死にますか?いいえ、海も山も死にます。死ぬからこそ潮は引き山は枯れるのです)

この曲を発表した当時、さだはまだ28歳だったというから驚きだ。
「〜は死にますか」と何度も繰り返し問いながら悲痛な想いを歌ったその曲は、幅広い年齢層に感銘を与え、オリコン最高順位2位、1980年度オリコン年間順位18位という記録を残した。
映画の中で効果的に使われ多くの感動を呼んだこの歌。
さだ本人は“反戦ソング”として創作したものだったが… 映画の内容を「どんなに犠牲が出ても自衛のために開戦はやむを得ない、悲惨な戦争だったが結果は勝利だ」と解釈する人もいて、ある方面からは「これは戦争肯定映画だ!」という風評が公開前から広まってもいたという。


映画の内容は、あくまで戦争に突き進んでしまった当時の風潮を描いたのであって、それが正当とした当時の政治について肯定などしておらず、むしろそうした時代や体制に対して批判の意図が込められていた。
しかし、歌がヒットすると同時に「さだまさしは右翼歌手だ!」とバッシングを受けることとなる。
さだはあるインタビューで当時を振り返って、こんな言葉を残している。

「あの歌は、人間の命の尊さや愛おしさを歌いたかったんですよね…。それを逆説的に映画の殺戮シーンで歌えば上手く伝えられると思ったんです。ところが一部からは浅い理解でしか取られませんでした。だったら“戦争反対”とストレートに歌った方がいいのかな?とも思いましたが…それでは僕の美学が許さないんです。だから、あの事に関しては“美学の違い”としか言いようがないんですね。僕は理論武装してまで歌を作りたくはないですし、歌ってそんなもんじゃないと思うんです。」


──曲の題名に使われたこの“防人(さきもり)”という言葉。
歌詞の中に一度も登場させないところに、さだのこだわりを感じずにはいられない。
もともとは岬守(みさきまもり)と呼ばれていたこの防人とは、663年に朝鮮半島の百済救済のために出兵した倭軍が白村江の戦いにて唐・新羅の連合軍に大敗したことを契機に「唐が攻めてくるのではないか?」との憂慮から九州沿岸の防衛のため設置された辺境防備の兵のことである。
彼らの多くは関東や東北から強制的に集めた農民たちだった。
任期は3年だったが延長されることも多く、兵士としての装備や往復の交通費は自前で、さらに留守中の税が軽くなることもなく、農民にとってはとても負担が重く、苦しい強制的な制度(労働)だったという。
『万葉集』には、防人のために徴用された兵や家族が、残された家族の無事を祈る気持ちや家族と離れる寂しさを詠んだ悲しい歌が100首以上収録されており、それらは後に“防人歌”と総称されることとなる。


<引用元・参考文献『J-POP名曲事典300曲』/富澤 一誠(ヤマハミュージックメディア)>



こちらのコラムの「書き手」である佐々木モトアキの音楽活動情報です♪
宜しくお願い致します。



【歌ものがたり2022 雨ニモマケズ風ニモマケズ】

12月2日(金)大阪 大きな輪
12日3日(土)和歌山OLD TIME
12月4日(日)広島Jammin’ bar
12月10日(土)福岡NIKAI
12月11日(日)北九州・黒崎 居酒屋 中村屋
12月13日(火)新宿UNDERGROUND Azzitto1224
12月22日(木)金沢JealousGuy
12月24日(土)福井・あわら市 専念寺

↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12733736025.html



【歌ものがたり2023 今夜すべての歌酒場で】

1月14日(土)長崎タンゲ食堂
1月15日(日)佐賀(唐津)DEN
1月20日(金)大牟田BAR LAST NUMBER
1月21日(土)行橋Rock ‘n Roll Bar Memphis
1月22日(日)二日市COFFEE AND CIGARETTES
1月26日(木)福岡(警固)呑処 岡ひろ
1月28日(土)米子 海あに💋
1月29日(日)岡山Record BAR COZY
1月30日(月)兵庫IL grazie伊丹店
2月9日(木)名古屋 ROLLING MAN
2月10日(金)京都Bar USAGI
2月11日(土)浜松Esquerita68
2月12日(日)東海市 Funky LIVE Diner ダイナマイト
2月17日(金)佐賀 雷神💋
2月18日(土)福岡 Bar KINGBEE💋
2月19日(日)大分・宇佐 Michiyard cafe
3月10日(金)札幌 天狼星(ドッグスター)
3月11日(土)札幌 SALINAS💋
3月12日(日)埼玉(北浦和) パラダイスロード


↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12733736025.html






【THE HUNDREDS 佐々木モトアキ×NOBUYAN’ Special Acoustic Live Tour 2022 “Only 2Men-6Days”】

12月25日(日)名古屋 ROLLING MAN

↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12748624898.html





【TWO HUNDREDS 佐々木モトアキ×NOBUYAN’ Special Acoustic Live Tour 2023 東京公演 】

1月7日(土)東京・ZINC Asakusa

↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12768882625.html





【佐々木モトアキ×Keith “唄うたいと雷神” Autumn/Winter 2022 Japan Tour】

11月26日(土)高円寺MOONSTOMP
12月17日(土)埼玉・所沢MOJO


↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12751903088.html





【佐々木モトアキ×Keith “唄うたいと雷神” Spring/Summer 2023 Japan Tour #1】


2月3日(金)富山・高岡GOOD FELLOWS
2月4日(土)金沢JealousGuy
2月5日(日)新潟 Live Bar Mush
2月23日(木・祝)広島NANA
2月24日(金)岡山Desperado
2月25日(土)米子 海あに
2月26日(日)松江MUSICA LIBERUM @Miz
3月4日(土)横浜Bar Brixton Market
3月5日(日)静岡・三島 ぐらBar’s
3月16日(木)沖縄・コザ CROSSOVER CAFE’614
3月17日(金)沖縄・那覇 Output
3月18日(土)沖縄・伊江島 Bar’n ZERO
3月20日(月)福岡 Bar KING BEE
3月21日(火・祝)福岡 Bar KING BEE



↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12772950670.html




佐々木モトアキの楽曲「You」のミュージックビデオです♪
映像編集、ポートレート(写真)撮影共に、佐々木モトアキ本人が手掛けております。
とてもシンプルな技法ですが、何よりも登場する皆さんの表情が素敵です✨
人が“目を閉じている”表情。
その“瞼(まぶた)に浮かんでいる”誰かの顔。
繋がってゆく“一人ひとりの想い”が、100通りの、いや1000通りのドラマを描いてくれています。





佐々木モトアキ
執筆、動画編集、音楽・食・商品・街(地域)に関わるPRなどなど…様々なお仕事承ります。

例えば執筆・編集のお仕事として、、、
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【佐々木モトアキ プロフィール】
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