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I Don’t Want To Talk About It〜ドラッグで死んだ作者、その名曲を十八番にしたロックスター、小さなライブハウスで唄い継ぐ女性シンガー

2017.12.10

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この歌は、スコットランド出身のロッド・スチュワートが本格的にアメリカ進出を賭けて発表したアルバム『Atlantic Crossing』(1975年)の中でカヴァーし、広く知られるようになる。
オリジナルはニール・ヤングのバックバンド“クレイジー・ホース”の初期メンバー(ギタリスト)として活躍したダニー・ウィッテン。
ダニーは1971年にこの曲を発表し、翌年に29歳の若さでこの世を去っている。
死因はヘロイン中毒とされている。
当時、ニール・ヤングは彼の早すぎる死を惜しんでこんなコメントを残している。

「生きていたらどんなに多くの佳曲を書いていただろう…」

ブライアン・ジョーンズ、ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョプリン、ジム・モリソン…1960年代後半から1970年代前半にかけて才能豊かなミュージシャン達が麻薬や酒に蝕まれながら27歳で夭折するという“必然のような偶然”が度重なったが…彼もそのリストに加わっていてもおかしくはない存在だった。
それはドラッグとの関わりにおいても、ミュージシャンとしての才能においても…。


君の目を見れば解るよ
ずっと泣いていたんだろ…
今の君には夜空の星も何の慰めにもならないね
それはまるで君の心を写したようなものだから
君が僕の心をどんなに傷つけたか…
もう話したくないよ
だけどもう少しだけここにいさせて欲しいんだ
ここにいられるなら…僕の胸のうちを聞いてくれないか
僕の…このつらい胸のうちを

もしも君と別れて一人でやって行けるのなら
影は僕の心のうちを隠してくれるだろうか
涙の青、そして夜の恐怖の漆黒を…
今の君には夜空の星も何の慰めにもならないね
それはまるで君の心を写したようなものだから
君が僕の心をどんなに傷つけたか…
もう話したくないよ
だけどもう少しだけここにいさせて欲しいんだ
ここにいられるなら…僕の胸のうちを聞いてくれないか
僕の…このつらい胸のうちを



アメリカ進出後、ロックスターとして世界的な成功を果たしたロッド・スチュワートは、長年に渡ってこの歌を十八番にしてきた。
コンサートのハイライト場面で彼と一緒にオーディエンスが大合唱するのも定番の光景となっている。
2004年、ロッドはロンドンのロイヤル・アルバートホールで行なわれた一夜限りのチャリティーライブのステージに立っていた。
旧友ロン・ウッド(ローリング・ストーンズ)や、クリッシー・ハインド(プリテンターズ)などもゲスト出演した大舞台で、彼は突然まったく無名の女性シンガーをステージで紹介する。
彼女の名前はエイミー・ベル(当時22歳)。
一週間前にスコットランドの北の町グラスゴーの路上で歌っていたところを、同郷のロッドが見出したという。
「歌を伝えること、素晴らしい曲を唄い継いでゆくこととは如何なるもなのか?」
ステージ上で、ロッドは彼女に大切なことを教えたかったのだろう。
たとえそれが路上であっても、小さなライブハウスであっても、大きなステージであっても…変わらない、変えてはいけないものを。



夢のような舞台で注目を集めた彼女は、その後ロスに渡ってソロアルバムをレコーディングし、発表するのだが…次第にその名前が聞かれなくなってゆく。
35歳となった彼女は現在、故郷グラスゴーに戻ってギター1本のスタイルでイギリス各地の小さなパブやライブハウスで唄い続けている。
客席からリクエストがあれば…もちろんあの歌も唄っているという。







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