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生きる勇気をくれる歌

2015.03.15

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♪「RUNNER」/山部“YAMAZEN”善次郎

空を見上げれば輝く太陽
肩を落とした影が小さく見える
何処までも続くこの道は
愛するお前の住んでる街まで続く

涙をふいて
胸をはって
走り出すんだ
あの山の向こうまで

雨は突然、嵐を呼び
彷徨う俺を打ちのめす
風は囁く、立ち上がれと
愛するお前の街まで歩き出せと

涙をふいて
胸をはって
走り出すんだ
あの山の向こうまで

空を見上げれば満天の星
溢れる涙は頬を伝い
流れ星に想いを込め
愛するお前の街まで走り出す

涙をふいて
胸をはって
走り出すんだ
あの山の向こうまで

2G7A1364 のコピー <photo by chiyori>

「ストレンジな世界。山善と一緒にいると全てが映画みたいになってしまうんですね。」

日本屈指のロックベーシスト、穴井仁吉氏(元・TH eROCKERS、MOSQUITO SPIRAL、MOTO-PSYCHO R&R SERVICE)が、山善の新作アルバム『少しだけ優しく』のCD帯に綴ったコピーだ。
穴井氏が書き下ろしたライナーノーツには、こんな素敵な言葉が添えられていた。

「(山善が)ストレンジ全開の時に僕のコーラを勝手に飲んでも、返す時にはちゃんと飲み口を僕の方に向けて置く。ストレンジでチャーミング、照れくさいけど、そんな山善が大好きです。」

今年還暦を迎えたその男の名前は、山部善次郎。
「山善(YAMAZEN)」の呼び名で親しまれている。
職業はミュージシャン、画家である。
キャリア40年以上になる、日本でも有数のロックボーカリストだ。
地元・福岡の音楽関係者、九州出身のミュージシャンの間で彼の名前を知らない者はモグリだろう。
音楽活動の傍ら39歳の時から油絵を描き始めたという。
現在は定期的に福岡県立美術館で個展を開催するまでとなり、県展や朝日新聞賞などでの入賞歴もある。

山善“YAMAZEN”善次郎絵画展『山善~変幻自在』(blue-jug・2008年開催の個展より)

2G7A1290 のコピー <photo by chiyori>

彼がメディアに取り上げられる時、その素晴らしい歌声や絵画への称賛と共に“ストレンジ”なエピソードがつきまとう。
数ある中から幾つかの奇行(ストレンジな世界)を紹介します。
それがホントか嘘か!?ご想像に任せするとして…。

●真冬に博多中洲の川で泳ぐ。
●自分の車をキャンパスとみたて、ペインティングせずにはいられない。
●スプレーで道路いっぱいに絵を描く。
●頭髪、眉毛、体毛、すべて金髪に染め、外人になりきる。
●アメリカ大使館の前で、モデルガン所持、警察に取り押さえられる。
●銀行にて「行員の態度が悪い!」と暴れ、警察沙汰になる。そのとき、警官の足に噛み付いたため2週間の留置。
●デパートの中をバイクで通行。
●バスの後ろにしがみつき無賃乗車。
●セックス・ピストルズと期を同じくし、いち早くパンクファッションを取り入れステージに立つが、時期早尚のため受け入れられず。
●25歳の時イギリスに渡るが、所持金6,000円の上、パンクファッションでの反抗的な態度を理由に税関にて入国拒否。ヒースロー空港の収容所に1週間入った後、強制送還。
写真
これらの噂やイメージを、本人含めて周りの人達も“山善らしい”として笑顔で受け入れている。
彼は多くのミュージシャン達に慕われ、多くの友人達に愛されている。
そんな彼のストレンジな世界にも“それなりの理由”があるのだ。


それは1969年、彼が中学生の頃に起きた事故だった。
父親の経営する紙卸問屋でアルバイト中、鹿児島本線の電柱によじ登り6,600Vの高圧線に感電。左眼、鼻を欠損。
九州大学の形成科の紹介で東京の警察病院の形成科に入院。
延べ35回に及ぶ手術を受ける。
事故以来、度々行なわれる手術への恐怖から躁鬱(そううつ)病となる。
絶望的な痛みと苦しみ。
多くの葛藤と試練。
何度も挫折し、何度も乗り越え、何度もくり返しながら…。
今日まで走り続けてきた長く険しい道のりの中で、彼は“特別な力”を手に入れた。
その歌声は、聴く者の心に力強く響いてくる。
その絵は、観る者の感性を激しく揺さぶり動かす。
そして、それらは僕らに“少しだけ優しく”語りかけてくる。

「躁鬱病は主治医との信頼関係と本人の前向きな努力で結果に大きな違いが起きる。もし躁鬱病で悩んでいる人がいたら、まずはROCK’N’ ROLL Dr.山善に会いに来い!相談に乗ってやる!」

あるインタビューで、記者が「なぜ電柱に登ったのか?」と問うと。
彼はこうつぶやいたという。
「鳥になりたかった…。」

山善を知る人達は、みんなわかっている。
彼は奇人でもなければ、伝説の人でもない。
人間、山部善次郎。
常に“今を走り続ける”ランナー。
ストレンジでチャーミングな魅力あふれる60歳。
彼の歌声と絵には、生きる勇気をくれる“特別な力”が宿っている。
1T7A1940 のコピー <photo by chiyori>

【プロフィール】
1954年、福岡市生まれ。 博多在住のミュージシャン。 10代半ばからロック.ミュージシャンとして活動をはじめ、数々の伝説を生み、今年還暦を迎える現在もその歌声は衰えることなく、精力的なステージ・パフォーマンスを展開している。また油彩画家としても定期的な個展を開く。
山部”YAMAZEN”善次郎OFFICIAL WEBSITE 6600V
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<引用・参考文献>
ふくおか音楽村・ひとSTORY 山部善次郎/大楠麻里さん取材記事より
BERO CITY・山部善次郎物語/藤原BEROさん取材記事より

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山部“YAMAZEN”善次郎『少しだけ優しく』
(2013/ BEAT VOX)

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