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マイケル・ジャクソンの少年時代〜音楽好きな両親から受けた影響、ジャクソン5の結成と快進撃

2019.07.14

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「音楽業界で働くことは子供心にも楽しかった。僕にとっては呼吸するのと同じくらいに自然だった。親や家族に言われたわけじゃなく、僕自身の心の中の音楽に対する気持ちがそうさせたのです。」


1958年8月29日、彼はインディアナ州の最北部にあるゲイリーという街で誕生した。
9人兄弟の7番目の子供として生まれた彼には、マイケル・ジョセフ・ジャクソンという名前がつけられた。

「僕の一番古い記憶の一つは、工場で働いていた父の仕事についてです。それは心まで麻痺してしまうくらいにキツイ仕事だったらしく、父はそうした状況から逃れようとギターをプレイしていました。父は叔父さんと共にファルコンズという名前のR&Bバンドで演奏していました。チャック・ベリーやリトル・リチャード、そしてオーティス・レディングなどの曲を演奏するのが定番でした。それらの一曲一曲が僕ら兄弟に大きな影響を与えてくれたのです。」


一家の暮らしは貧しく、父親は製鉄工場でクレーン操縦士として働き、母親はデパートのパートタイム従業員をしながら家計を支えていた。
父親は元々音楽家を目指していたが…夢半ばにして挫折し、自分が叶えられなかった夢を息子らに託してグループを結成させた。

「母も音楽が大好きで、ピアノとクラリネットを演奏できる女性でした。彼女は当時の黒人には珍しくカントリー&ウエスタンを聴いて育った人で、歌声もとても美しかった。僕らの家にあったラジオからは、R&Bからカントリーまでいつも素晴らしい曲が流れていました。父のバンドは自宅で練習をしていたので、僕たちは日常的に演奏・楽器に触れながら育ちました。」


当時、兄ジャッキー、ティト、ジャーメインは、父のギターを隠れて演奏していた。
ある時ティトがギターの弦を一本切ってしまう。
それを見つけた父は息子を怒るかと思いきや「どれくらい弾けるのか見せてみろ。」と、ティトにチャンスを与えた。
ティトがギターを手にして独学で覚えたフレーズを弾き始めると、父親はそのプレイが遊び半分ではなく息子なりに練習してきたものだと認めた。
その出来事がきっかけとなり、父親は息子たちに音楽を教えることを決意する。
兄弟の中で6男坊だったマイケルは、当時ユニットのメンバーに入っておらず、加入したのは5歳のときだった。
1963年のある日、母親が夫に「この子は歌えるのよ!」と助言したことからマイケルもグループに加入。
彼らは、この頃から“ジャクソン5”と名乗るようになった。
マイケルは、小さいながらに上の兄たちの身振りを真似ながら、歌や踊りの厳しいレッスンを重ねていった。
1967年、マイケルが9歳となった頃、ジャクソン5はニューヨークのアポロシアターにまで進出する。
そこで彼らはジェームス・ブラウンやジャッキー・ウィルソンのパフォーマンスを生で学んだという。
1968年1月、ジャクソン5は地元ゲイリーのレーベル(スティールタウンレコード)からシングル「Big Boy」でデビューを果たす。


この頃、ジャクソン5はコンサートの前座でボビー・テイラーに出会う。
ボビー・テイラーといえば、6sさっささ0年代にモータウンから登場し成功を収めた異人種混合バンド、ザ・ヴァンクーヴァーズのメンバーであり、後にジャクソン5の初代プロデューサーとして輝かしい功績を残したことでよく知られている。
ジャクソン5の素質を見出したボビーは、すぐにジャクソンファミリーをデトロイトに連れて行き、モータウンとの契約の橋渡しをする。
1969年10月、ジャクソン5はシングル「I Want You Back」でメジャーデビューを果たす。
同曲はいきなり全米チャート1位に登り詰め、彼らの存在をアメリカ中に知らしめることとなった。
続いて1970年2月にリリースされたシングル「ABC」では、当時首位だったビートルズの「Let It Be」を押しのける形で1位を奪取する。
続く「The Love You Save」、「I’ll Be There」もチャートを制し、ジャクソン5はデビュー早々4曲連続全米チャート1位に輝くという偉業を成し遂げることとなった。



「学校から帰ってきて教科書を置くと、すぐにスタジオに向かっていました。いったんスタジオに入ると、子供ならベッドにいなきゃいけない時間をとうに過ぎても歌や踊りの練習を続けていました。食事も軽食が摂れるかどうかさえわからない日が多々ありました。モータウンスタジオの通りを隔てた向こう側に公園があって、僕はよくそこで遊んでいる子供達を眺めていました。僕にもあんな自由があって、彼らと一緒に遊べたらどんなにいいだろうと考えてました。」



引用元・参考文献『ムーンウォーク マイケル・ジャクソン自伝』マイケル・ジャクソン(著)田中康夫 (翻訳)/河出書房新社>

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