「本物の音楽」が持つ“繋がり”や“物語”を毎日コラム配信

TAP the POP

TAP the NEXT

TAMTAM

2014.09.29

Pocket
LINEで送る

ダブとは先鋭的で、ダブとは攻撃的で、ダブとは繊細で、ダブとは自由で、ダブとは──ボーカル&トランペット担当の紅一点、Kuroを中心として2008年に結成されたTAMTAM。今年4月にメジャー・デビューを果たした若き5人組は、自らを〈21st Century Dub Band〉と称する。

60年代後半にレゲエから突然変異的に生まれ、ロックやニューウェイヴをはじめポピュラー音楽に大きな影響を与えた音響的な手法である、ダブ。日本でもミュート・ビートを筆頭に、フィッシュマンズ、リトル・テンポ、ドライ&ヘヴィーなど、ダブを表現の核に据えたバンドが活躍してきたが、TAMTAMもまた、その流れを汲む存在と言えるだろう。メンバー5人に加え、ライブには専属のダブマスターが帯同し、リアルタイムでエフェクト処理を施していく。

2012年にインディーズにてリリースされたファースト・アルバム『meteorite』あたりまではレゲエ色を強く打ち出して彼らだが、作品を発表するごとに、またステージを重ねるごとに、その表現は自由さを増していく。今回発売された、メジャー・レーベルからは初となる新作フル・アルバム『Strange Tommorow』は、レゲエを素地に感じさせながらも、シューゲイザーやポスト・ロック、そしてテクノやダブステップをはじめとする様々なダンス・ミュージックを取り入れながら、ダブというアウトプットをもってTAMTAM独自の世界を作り上げていく。ある意味、これほどまでにやりたい放題のバンド・サウンドを、メジャー・レーベルから堂々と発表しているところに、彼らのこだわりと意志を感じる。そして、ボーカルのKuroが書く日本語詞はヘヴィーな現代をサヴァイブする都市の生活感を描きながらも、NOKKOやACOあたりにも通じる希有なキャラクターを持つ彼女の歌声がTAMTAMの音楽にポップな親しみやすさを与えているところも興味深い。

今の時代を生きるバンドとして、ダブの可能性を勇敢に切り拓いていくTAMTAM。ダブとは──その問いに対する答えを、彼らはこれから次々と更新してくれることだろう。


Strange Tomor

TAMTAM
『Strange Tomorrow』

(スピードスターレコーズ)


TAMTAM official website
http://tamtam.mao-jp.com/

TAMTAM「エンターキー」 MV


TAMTAM I DUB YOU TOUR2014-Strange Tomorrow-
11月22日(土)北海道・札幌SPIRITUAL LOUNGE(w/オトノエ)
11月24日(祝)東京・新代田FEVER(ワンマン)
11月27日(木)愛知・名古屋CLUB UPSET(w/箱庭の室内楽 他)
11月28日(金)大阪・梅田Zeela(w/DAMBO、二人目のジャイナ、アカシック)

その他のライブ予定
10月4日(土)宮城・仙台MEGAROCKS2014
10月12日(日)大阪・MINAMI WHEEL

詳しくは offical website にてご確認ください。

Pocket
LINEで送る

あなたにおすすめ

関連するコラム

    関連記事が見つかりません

[TAP the NEXT]の最新コラム

SNSでも配信中

Pagetop ↑

トップページへ