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ソンドレ・ラルケ

2014.11.10

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18歳でリリースしたデビュー・アルバム『Faces Down』がノルウェー・グラミー賞の最優秀新人賞を受賞。ローリング・ストーン誌の2002年度ベスト・アルバム50枚に選出されるなど、キャリアの幕開けを華々しく飾ったシンガー・ソングライター、ソンドレ・ラルケ。

『Two Way Monologue』(2004年)ではヴァン・ダイク・パークスやビーチ・ボーイズに通じるようなアコースティカルなポップ・アルバムを聴かせたかと思えば、『Duper Sessions』(2006年)ではチェット・ベイカーを彷彿させるジャズ・アルバムを完成させ、『Phantom Punch』(2007年)では激しく疾走するようなロック・アルバムを発表するなど、作品を重ねるごとに聴き手を驚かせてきた。

エルヴィス・コステロや、同じノルウェー出身のa~haなどに影響を受けてきたという彼だが、たしかにその音楽にはコステロのように様々なジャンルを自由に横断しながらも、その幅広い音楽性をひとつに収斂するような優れたメロディセンスを備えているし、またa~haのように煌やかなポップ・センスとほのかに漂うメランコリックを共存させているところも、ソンドレ・ラルケの音楽とどこかで共通しているようにも思える。

そんな彼の最新アルバム『Please』は、ギターのカッティングを中心においた小気味いいビートから、一転してカオティックなノイズがカットインしてくる構成が爆発的な高揚感を与えてくれる「Bad Law」にはじまり、ローファイなサウンドがドリーミーに展開していく「Crickets」、土着的なビートが印象的なシンガロング・チューン「Legends」、ジャジーなスロー・バラードがサイケデリックに色合いを変えていく「At Times We Live Alone」と、冒頭の4曲だけでも華麗な裏切りを感じさせてくれる。

メジャーを離れ、インディペンデントな活動がさらに加速させているのか、本作で聴けるソンドレ・ラルケの音楽はこれまで以上に自由奔放だ。しかし、そこに一貫して通底している美しいメロディ、そしてどれだけ触れ幅を大きくしても、必ずポップに着地させる絶妙なバランス感覚が十二分に発揮されている。充実した『Please』というアルバムを携えた(今年2度目となる)来日公演も大いに期待していいだろう。


ソンドレ・ラルケ『Please』

ソンドレ・ラルケ
『Please』

(FLAKE RECORDS)

*FLAKE RECORDS通販では、特典として今年春に行われた東京公演初日の模様を収めたDVD-Rつき。→購入はコチラ


Sondre Lerche official website
http://www.sondrelerche.com/

Sondre Lerche「Bad Law」 MV
Sondre Lerche「Legends」 MV

TONE FLAKES Vol.73, Sondre Lerche “Please Tour 2014”
11月18日(火)東京・新代田Fever
w/Kenji Ayabe,The Chimney Sweeper
11月19日(水)東京・新代田Fever
w/岸田繁(くるり)
11月20日(木)大阪・心斎橋digmeout ART & DINER
w/Keishi Tanaka
*詳しくは FLAKE RECORDS にて確認ください。

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