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THE STARBEMS

2014.11.24

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I’ve started walking on worlds lost in mourning
Can we trust each other yet?
I’m standing lonely, still lots of the warning
Let me try that great escape

嘆きに溢れるこの世界を 歩き始めてみた
俺達はまだお互いを信用してて良いかい?
まだまだ警告だらけの世の中に一人立ち上がり
自由への大脱走に挑み続けるぜ
(「Vanishing City」より)



2010年、BEAT CRUSADERSを散開後、〈MONOBRIGHT〉への加入や〈ヒダカトオルとフェッドミュージック〉としての活動などと並行し、ソロ活動をスタートさせた日高央。個人名義での〈ヒダカトオル(BAND SET)〉で集まったメンバーを中心に結成されたのが、この〈THE STARBEMS〉だ。ちなみに日高は現在46歳だが、他のメンバーはみな80年代前半生まれで、干支も一回り以上離れている。

毛皮のマリーズのギタリストとして活動していた越川和磨や、活動休止中のFed MusicやCircle Darkoのベーシストとしても活動している菊池篤ら、3人ものギタリストを擁する重厚なアンサンブルが奏でるバンド・サウンドは、いわゆるラウド・ロック/ハードコア・パンクの範疇に括られるものかもしれない。もっとも日高がこのバンドを始動させたきっかけは、震災後の社会や行政への失望や怒り、また自分自身へのもどかしさであったというし、そうした想いをとにかく音楽にぶち込んだ怒りの表現が、ラウドでノイジーなサウンドだったのであろう。

だが、前作では封印されていたビークル活動期からの日高の持ち味でもある人懐っこいメロディラインや抜群のバランス感覚を持ったポップ・センスが、今回のセカンド・アルバム『VANISHING CITY 』では随所に感じられる。ただ闇雲に怒りをまき散らすのではなく、ユーモアやキャッチーなアプローチを織り交ぜながら、メッセージを確実に伝えていく。またそのメッセージを受け取ったリスナーも、音に込められた〈遊び〉の部分から怒りだけでは収まらない様々な感情を持って、自由に思いを巡らすことができる。

さまざまなものが失われつつある街──そんな時代を力強く生き抜く術とは、自由な想像力であるということを、THE STARBEMSは叫んでいるように思えてならない。

THE STARBEMS『VANISHING CITY』

THE STARBEMS
『VANISHING CITY』

(徳間ジャパン)


THE STARBEMS official website
http://www.thestarbems.com/


THE STARBEMS「Vanishing City」 MV
THE STARBEMS「Let Lights Shine」 MV


VANISHING CITY TOUR 2014
11月28日(金)大阪・梅田Shangri-La
 Guest:NoisyCell
11月29日(土)愛知・池下CLUB UPSET
 Guest:NoisyCell
12月10日(水)東京・渋谷TSUTAYA O-WEST
 Guest:Northern19
詳細は THE STARBEMS official website をご確認ください。

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