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ローンレディ

2015.03.23

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硬質なギターのリフ、くぐもったベースライン、緊迫感に満ちた金属音、そしてリズムマシーンが繰り出す無機質なビート。それらが重なり合い、うねりをもって現れるグルーヴ──ローンレディが奏でるのは、荒廃したモノトーンの風景に妖しい光を当てていくような音楽だ。

ローンレディことジュリー・キャンベルは、マンチェスターの郊外、オーデンショウに生まれた。15歳からギターを弾きはじめ、その後ポストパンクやニューウェイブに深く傾倒。自らドラム以外のすべての楽器を演奏し、カセットレコーダーで録音していくというスタイルで音源制作をはじめ、2010年にはデビュー・アルバム『Nerve Up』をリリースした。

翌年には元P.i.Lのジャー・ウォブルとのコラボレーションによるアルバム『Psychic Life』を発表。ポスト・パンクを通過したディスコに接近したアプローチこの作品には、同じく元P.i.Lのキース・レヴィンも参加した。その後、廃ビルの一角を自らリノベーションしたホームスタジオで、単身音楽制作を開始。さらにはプロデューサー/エンジニアのビル・スキッペとの制作を経て、5年ぶりとなるソロ・アルバム『Hinterland』を完成させた。

ヴィンテージのシンセサイザーやドラムマシーンを駆使しながら、ほぼ一人で完成させた本作。プリンスやウェンディ&リサを彷彿させる密室ファンクから、80年代インダストリアル・ミュージック、ミニマルなディスコ・パンクなどを内包したその音楽は、いびつなファンクネスと内省的な詩情、そしてが先鋭的なポップ感覚が同居した、ローンレディ独自の世界を築いている。

ローンレディ『Hinterland』

ローンレディ
『Hinterland』

(Warp Records / Beat Records)


Lonelady offcial website
http://concrete-retreat.tumblr.com/
http://www.beatink.com/Labels/Warp-Records/Lonelady/

ローンレディ「Groove It Out」

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