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W.C.カラス──木こりの仕事と二足のわらじを履く、孤高のブルース・シンガー

2015.08.31

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うどん屋で泣いた うどん屋で泣いた
なんだかわからねえけれど ボロボロ泣いた
悲しくはないんだ 寂しいわけじゃない
ただうどんがうまくてダダ漏れに泣いた
(「うどん屋で泣いた」より)



1964年富山県生まれ、現在高岡市を拠点に活動するW.C.カラス。彼は木こりを生業としながらブルース・シンガーとして活動する、異色のプロフィールを持つミュージシャンだ。

元々ブルース・バンドを結成していたが、集団で活動することに嫌気が差し、40歳の頃にギターの弾き語りスタイルで一人で歌い出す(ちょうどその頃、木こりの仕事もはじめたのだとか)。48歳の時(2013年)に初のアルバムをリリース。すると、それまで地元を中心とした活動だったのが、噂が噂を呼び、全国からライブのオファーがかかるようになり、現在では木こりの仕事と並行しながら、年間で全国100本近くのライブを行っている。

セカンド・アルバム『うどん屋で泣いた』は、モアリズムのドラマーであるナカムラをプロデューサーに迎え、ゲスト陣に梅津和時、ズクナシらを招いてレコーディングを敢行。バンド・スタイルによるメンフィス・ソウル調の表題曲をはじめ、遠藤ミチロウ「Just Like a Boy」のカバー、ユニークな視点で身の回りを切り取っていく「有頂天BLUES」「飯炊き男のBLUES」「逆説のBLUES」、浪曲や詩吟からの影響も透けて見える迫力のワーク・ソング「労働は苦しい」、梅津和時のサックスと二人だけで演奏したブコウスキの詩の世界にも通じるバラッド「誰かが死んだら靴をみるといい」……など、バラエティに富んだ作風ながら、W.C.カラスにしか生み出せない、リアルな生活に根差したブルースが濃密に抽出された作品に仕上がった。

うだつの上がらない暮らしぶりもやり場のない悔しさや哀しさも、豪快に吹き飛ばしていくようなW.C.カラスの歌。よく灼けた太い腕っぷしで鳴らすドブロギターの音色、そして野太い歌声と唸りは、世知辛い日々を乗り越えていくためのブルースの力を気付かせてくれる。

誰かが死んだら靴をみるといい 誰かが死んだら靴をみるといい
スーパーマーケットへショウガを買いに行った靴
ロックンロールショウを観に行った靴
雨の中をとぼとぼ帰った靴
ちょっと無理して買った靴
(中略)
誰かが死んだら空を見るといい
誰かが死んだら空を見るといい
あの人も見ていたこの空を
(「誰かが死んだら靴をみるといい」より)



W.C.カラス『うどん屋で泣いた』

W.C.カラス
『うどん屋で泣いた』

(P-VINE)


W.C.カラス official website
http://www.wckarasu.com/


W.C.カラス「うどん屋で泣いた」 LIVE
W.C.カラス「誰かが死んだら靴をみるといい」 LIVE
W.C.カラス「逆説のブルース」 LIVE


Live Schedule
9月4日(金)石川・金沢ジェラスガイ
9月5日(土)東京・高円寺・JIROKICHI w/永井ホトケ隆、KOTEZ
9月6日(日)東京・ 渋谷・タワーレコード 6Fインストアライブ
9月6日(日)東京・新橋・ARATETSU UNDERGROUND LOUNGE(トークショー)
9月11日(金)富山・Bodegas Mambo ボデガスマンボ w/ギターパンダ、山田晃士
9月20日(日)山形・米沢 バーヤスクニ w/Chihana、ヤンフレンジー、デルタ兄弟
9月21日(祝)山形・米沢 西條天満公園 chitlin’circuit 2015大芋煮会 w/Chihana、ヤンフレンジー、デルタ兄弟、Kechon Kechon Jug Band、イノウエゴロウ、島貫仁一、はまちゅん
9月21日(祝)宮城・ 仙台 チョップオンズ w/Chihana
9月22日(祝)青森・八戸 フラット w/Chihana
9月23日(祝)福島・リアコースティック w/Chihana
9月24日(祝)福島・いわき SHANTI HOUSE
9月26日(土)岩手・一関 千厩
10月11日(日)東京・新橋・ARATETSU UNDERGROUND LOUNGE w/武蔵野ミニー
10月12日(祝)埼玉・所沢 MOJO W.C.カラス&The Wood Cutters
10月17日(土)京都・アイリッシュパブ ノーム
10月18日(日)大阪・心斎橋 えん
10月24日(土)静岡・浜松 ビスケットタイム
詳細は W.C.カラス official website をご確認ください。

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