60〜70年代のソウル／ファンクをバンド・サウンドの要として、詩情あふれる歌をパワフルに、時にメランコリックに歌い上げていく女性3人組バンド〈ズクナシ〉。

2002年に結成されたズクナシは、ボーカル＆ギターの衣美を中心に、spicy-marico（ベース、コーラス）、茜（ドラムス、コーラス）、238（キーボード、コーラス）の4人で長らく活動してきたが、2014年4月に238が脱退し大きな転機を迎える。しかし、加藤登紀子や大西ユカリとのコラボや、初のメキシコ・ツアーを敢行するなどアグレッシヴに活動を展開。年間140本を超えるライブを行う活躍ぶりをみせている。

3人になって初めてのフル・アルバムとなる4thアルバム『ただいま』は、モアリズムのナカムラをプロデュースに迎えた作品。ゆったりとスモーキーな歌と演奏がたまらない「ほろよい橋」ではじまるこのアルバムは、全編を通して粘っこいグルーヴが心地良い、大人の女性の艶めきを感じさせるような新たな表情が伺える楽曲が並ぶ。アルバムが進むにつれて、徐々にファンキーな熱っぽさを露にしていく構成もスリリングだ。アラバマ・シェイクスやヴィンテージ・トラブル、リオン・ブリッジズといったあたりとの同時代性も感じさせながらも、ズクナシならではの日本語詞ソウルのオリジナリティに磨きがかかった快作が仕上がった。

ズクナシ
『ただいま』

（P-VINE）

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