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ACO──20年目にして辿り着いた深く鮮やか歌声、斬新な創造性にあふれた最高傑作

2016.01.04

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君は僕の最後の女さ
名前はダイアモンド
だけど冷たくて酷い事もするから

世界に咲く花のように
あなたの心を動かせるのなら
どうしても僕にはできない
苦しくて、苦しくて
歪んでいく
(「Diamond」より)


1995年シングル「不安なの」でデビューし、2015年に音楽活動20周年を迎えたシンガー・ソングライター、ACO。デビュー当時こそR&Bディーバ風なカテゴリーに位置づけられることもあったが、その後は音楽的好奇心に忠実に従いながら自己の表現を研ぎ澄まし続け、揺るぎない世界観を確立させながら、作品を重ねるごとに新たな色彩を呈示してきた稀有なアーティストの一人だろう。これまで9枚のフル・アルバムを発表してきた彼女が、セルフカバーを中心とした前作『TRAD』から約2年、オリジナル・アルバムとしては約4年ぶりとなる新作『Valentine』を発表した。

ターニング・ポイントとなった『LUCK』(2012年)、自身の楽曲を新たな解釈で再構築していった『TRAD』(2013年)という充実のアルバムを共に作り上げ、近年のライブも支えてきた、中尾憲太郎(ベース/Crypt City)、岩谷啓士郎(ギター)、柏倉隆史(ドラムス/toe)、塚本 亮(キーボード)からなる気心の知れたバンドと制作したという、三部作の締めくくりともいえる今回のアルバム『Valentine』だ。

ここ数年で行ってきたギターとボーカルのみのシンプルな編成によるライブも影響しているのだろうか、言葉の響きやストーリーとしての深みを重視した楽曲の数々は、脳裏にさまざまなシーンを灼きつけていく。その楽曲本来の力を最大限に引き出しているのは、やはりシンガーとしてのACOの表現力だ。女の生き様が刻み込まれたようなその歌声は、言葉のもうひとつ奥のレイヤーにある複雑な感情や背景をも浮き彫りにしていく。ネイキッドな歌唱に柔軟に呼応しながら、その歌世界にエモーショナルなコントラストを描いていくバンド・サウンドの充実も聴きどころだ。また次の世代へ贈るメッセージを歌う「未成年」でデュエットを披露した岸田繁(くるり)をはじめ、JJJ(Fla$hBackS)、山本啓(Nabowa)といったゲスト陣の好演も光る。

思えばACOというアーティストは、「哀愁とバラード」や「悦びに咲く花」などのヒットを生み出しながら、並行して『absolute ego』『Material』といったカッティングエッジな実験性とエヴァーグリーンなポップ・センスを最大限に両立させていた。彼女が2000年前後に見せつけていた震えるぐらいに斬新な創造性を、現在のACOにも強烈に感じてならないのだ。

時々あなたは思うだろう
世の中の理不尽さを
戦って傷ついて
だけど負けるな
忘れないで
笑顔を見せて
笑って baby
愛している
(「未成年」より)



ACO『Valentine』

ACO
『Valentine』

(AWDR/LR2)


ACO official website
http://acoaco.com/


ACO「未成年」 MV


Live Schedule
ACO LIVE “Valentine”

2016年1月11日(月)東京・六本木 billboard LIVE tokyo
1stステージ 開場 15:30 / 開演 16:30
2ndステージ 開場 18:30 / 開演 19:30

「歌とギター」
‪1月16日(土)京都・Sole cafe
出演:ACO support 岩谷啓士郎

詳しくはACO official websiteをご確認ください。

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