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Special Favorite Music──時代やジャンルを自由に行き来して現在のポップスを紡ぐ注目の大所帯バンド

2016.06.13

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きまりそうな 夕焼けのなかで 喋る君の瞳の色
僕を連れてく 強い光は いつでもそんな鮮やかさ

終わらない 夜や冬にも 光る100のストーリー

長い夜も消せないしぶとくて美しき魔法さ
ワールズマジック 僕らの胸つき刺す今
(「World’s Magic」より)



NOKIES!としての活動をはじめ、モリシマヒロシ(Awesome City Club)とのユニット=morikumeや数々のリミックス作品なども手がける関西インディー・シーンの注目株・クメユウスケ(ボーカル、ギター)を中心に、大学で声楽を専攻し現在もバンドと並行してクラシック畑で歌っているというシンガーのラビンユー、KONCOS古川太一の実弟でもあるサックス奏者のフルカワユウタ、同じ音楽大学を卒業したミヤタハルナ(ヴァイオリン)とシンジョウカツヤ(パーカッション)、Wallflowerのドラマーとして活動するオクダナオヒロ(ギター、シンセサイザー)など、多彩なバックグラウンドを持つミュージシャンたちによって構成される男女混合8人組のポップス集団が、〈Special Favorite Music(スペシャル・フェイバリット・ミュージック)〉だ。

2014年夏に結成された彼らは、大阪を拠点に活動を開始。翌2015年にKONCOSとのスプリット7インチや、EP『ROMANTICS』を立て続けにリリース。同年12月にリリースした7インチ・シングル『Dribble / Future』は売り切れの店舗が続出するなど、作品を発表するごとに注目度を高めていった。

彼らのファースト・アルバムとなるのが今年5月に発売されたばかりの『World’s Magic』。ストリングスやホーンを擁するサウンドで作り上げていく彼らの音楽は、R&BやAOR、チェンバー・ポップ、80年代シティ・ポップ、90年代渋谷系ポップス、ゼロ年代のインディー・ロック、テン年代のネオ・ソウルなど多様なエッセンスを折衷しながら、ヒップホップ以降のレイドバックしたグルーヴや、ニッティング・ファクトリーあたりの実験音楽に感じる自由さをもアンサンブルに滲ませる。どこかいびつも感じさせるサウンドだが、その中に強烈なポップ・センスがたっぷりと湛えられていることに気づく。誘い水となるのが、真っ直ぐに可憐な歌声を聴かせるラビンユーと寄り添うように歌うクメユウスケのツイン・ボーカルだろう。二人のやわらかな歌声はまるで素肌に染み込むようにスムーズに浸透しては、彼らの奏でる音や紡ぐ言葉と、聴き手の記憶や街の風景とを魔法のように繋ぎ合わせていくのだ。


Special Favorite Music『World's Magic』

Special Favorite Music
『World’s Magic』

(P-VINE)



official website
http://specialfavoritemusic.com/


Special Favorite Music「Magic Hour」 MV
Special Favorite Music「GOLD」 MV
Special Favorite Music「Dribble」 MV

Live Schedule
World’s Magic” Release Party

7月18日(祝)東京・渋谷 O-NEST
  w/Sugar’s Campaign、入江陽トリオ   DJ : カジヒデキ
8月7日(日)大阪・梅田 Noon(ワンマン)
詳しくはofficial websiteを参照ください。

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