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スカフレイムス──日本のスカ・バンドの草分け、11年ぶりとなるフレッシュな新作

2016.10.25

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1980年代前半。東京にまだクラブ・シーンが根付いてなかった時代に、ジャマイカのスカをオーセンティックなスタイルで演奏するバンドが生まれた──スカフレイムス(The Ska Flames)。2015年に結成30周年を迎えた、名実ともに日本のスカ・バンドの草分けといえる存在だ。

ギャズ・メイオール(トロージャンズ/Gaz’s Rockin’ Blues)のプロデュースのもとロンドンで録音したアルバム『Ska FEVER』を1989年に発表。以降ライブを中心に活動を展開し、スカタライツ、プリンス・バスター、リコ・ロドリゲスなどスカ・レジェンドたちと共演を果たし、厚い信頼を得ていく。彼らのマイペースながらも揺るぎなく信念を貫く姿勢は、多くの後進バンドに影響を与え続けてきた。

そんなスカフレイムスの、実に11年ぶりとなるスタジオ録音によるオリジナル・アルバムとなるのが、新作『Turn-up』だ。アルトサックスの石川道久作曲による、奄美大島の繁華街をタイトルに冠したキラー・チューン「屋仁川ブルース(やんごぶるーす)」で賑やかに幕を開ける本作は、スカ、ロックステディを基軸にしながらも、カリブ、ラテン、ジャズ、リズム&ブルースなど彼らのルーツにあるヴィンテージな音楽を、永年にわたって培ったオリジナルな塩梅でミックスして、スカフレイムスにしか出せないサウンドへと仕立てていく。

ギターの紫垣徹が作詞曲を手がけ自ら歌唱も担当するソウルフルなラヴァーズロック「Ohベイビーズ」ではボーカルの伊勢浩和がラップ調の甘いコーラスを挿入したり、「イントゥマヤ」「奄美ワルツ」など、バンドともゆかりの深い奄美大島のエッセンスを注入していったりと、バラエティ豊かなアプローチを展開。

結成30周年を前後して、バンドとしての動きも活発化してきたスカフレイムス。再びむくりと首をもたげてきた表現欲を十二分に発揮し、フレッシュな風通しの良さも感じさせるアルバム『Turn-up』。1960年代のジャマイカでルードな若者たちを踊らせるために生まれたスカが、海を渡り時間を経た2016年の日本の地で、年輪を重ねた大人たちが自らの人生を投影させながら新たな音楽として更新していく。スカフレイムスは、世界に誇るもっとも純粋でもっとも新鮮なスカ・バンドなのだ。


スカフレイムス『Turn-up』

スカフレイムス
『Turn-up』

(SUNSHOT)



official website
http://www.skaflames.jp/


*スカフレイムスの代表曲「Tokyo Shot」。『Turn-up』収録曲ではありません。

『Turn-up』リリース・ツアー
2016年11月3日(祝)愛知・名古屋クラブクアトロ
2016年12月10日(土)広島・広島クラブクアトロ
2016年12月24日(土)東京・渋谷クラブクアトロ
2017年3月18日(土)富山・富山MAIRO
詳細はofficial websiteを参照ください。

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