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ドープト・アップ・ドーリーズ──スカ/レゲエを基軸に自由なサウンドを展開する、美麗ガールズ・トリオ

2016.12.26

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ボストンのベテラン・スカパンク/ネオスカ・バンド〈ビッグD&ザ・キッズ・テーブル〉のバックボーカルとしてスタートしたガールズ・ボーカル・グループ〈ドープト・アップ・ドーリーズ〉。シリー、ブリー、そしてエリンの美麗シンガー3人からなる彼女たちのデビュー・アルバム『The New Way Out』が素晴らしい。

ビッグD&ザ・キッズ・テーブルのボーカリスト=デヴィッドが、スカ、ロックステディ、レゲエ、ノーザン・ソウルをミックスしたスタイル〈ストロール〉を作ろうと画策。その新機軸の旗頭として、バンドと共にUS&UKツアーや数々のフェスを回ってきたドープト・アップ・ドーリーズのアルバム制作をスタート。ビッグDのメンバーがバックを務め、多岐にわたるエッセンスをサウンドに注入していく。

モータウン・ビートの「Make Your Own Sunshine」で賑やかにはじまるアルバムは、ロカビリー調の「Papa Plays the Drums」、ルーズなグルーヴがクセになるダンスホール・レゲエ「Me, Fireman & Lion」、可憐な歌声とコーラスワークが耳に残るスカ・チューン「Driving Around the Square」、ニューオーリンズ・ファンクとパンクとヒップホップをミクスチャーした「Black Cat」、2トーン・スカの「Be Free」、スキンヘッド・レゲエの「Rightousness」、ホットロッドな「Escape from Mount Olivedem」……と、スカ/レゲエを基軸にしながらカラフルな広がりをみせている。

3人のキュートかつパワフルな歌声や佇まいはシュープリームスやロネッツあたりを思い出させるし、ルーツ・ミュージックへの憧憬をあらわにしながら現代的にアップデートさせていくあたりエイミー・ワインハウスの影響も感じさせる。そして自由でヒップな感覚はビースティ・ボーイズの〈グランドロイヤル〉から輩出されたルシャス・ジャクソンや、グウェン・ステファニがフロントを務めるノー・ダウト、さらにはリリー・アレンあたりと同じ匂いを感じてならない。

彼女らの標榜とする〈ストロール〉なるスタイルの正体は、音源を聴いても今ひとつはっきりしないのだが、そんなことはどうでもよくなるぐらいに、自由で楽しいダンス・ミュージックが詰まっているのは間違いない。

The Doped Up Dollies『New Way Out』

The Doped Up Dollies
『New Way Out』

(Parking Lot Sounds)


official Facebook page
https://www.facebook.com/TheDopedUpDollies/
offial label website
http://shop.pls.tokyo

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