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坂田学──人気ドラマーが10年の時間を費やし完成させた、充実の歌ものポップ・アルバム

2017.02.07

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遠い記憶を拾い集める
おじいさんの手をたぐり寄せるように
子供の頃の記憶はなくても
見えない場所に今も残っている
 (中略)
木の奥で 声が聞こえる
木の奥で 絵が蘇る
(「木の奥」より)


森山直太朗、ハナレグミ、秦基博、トータス松本、大友良英、ジム・オルーク、鈴木茂など、数多くのアーティストのレコーディングやライブ、セッションで活躍する、ドラマー坂田学。サックス奏者の坂田明を父に持つ彼は、10歳からドラムを叩きはじめ、20代初頭からドラマーとして活動開始。サポート・ミュージシャンとしての経歴に加えて、ピラニアンズやPoraris、ボッサピアニキータ、ダブダブオンセンなどバンドでの活動を展開。2004年頃からはバンドと並行して、ギターや電子楽器など複数の楽器や映像を駆使したソロ活動も展開。これまでに3枚のソロ・アルバムも発表している。

そんな坂田学が12年ぶりに発表するソロ・アルバムが『木の奥』だ。

一番古い録音は2007年1月。それから(途中にインターバルを挟みながらも)10年近くの歳月をかけて、じっくり制作された本作。高田漣、おおはた雄一、エマーソン北村、石井マサユキ、鹿島達也、朝倉真司、イノトモ、tico moonら豪華なゲスト陣が参加。これまでに発表してきたレコーディング作品にも通じるアブストラクトな作風も随所に織り込まれながらも、全体的には気心の知れたミュージシャンたちとのセッションによる、アコースティックな音色を活かした、あたたかくたおやかなバンド・サウンドが軸となっている。そこにはロック、ジャズ、フォーク、アイリッシュ・ミュージック、ブラジル音楽、エレクトロニカ、ダブ……などなど、彼が吸収してきたさまざまな音楽が、記憶の奥底から自由に顔を出してはにじむように溶け合い、叙情的な〈歌〉を彩っていく。

やさしく染み入る歌声、豊かに情景を広げていく流麗なサウンド、そして静かに熱を帯びていくグルーヴ──ドラマーでありシンガー・ソングライターでもある坂田学だからこそ生み出せた、充実の歌ものポップ・アルバムだ。


坂田学『木の奥』

坂田学
『木の奥』

(Lifework Records)


official website
https://www.manabusakata.com/

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