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NakamuraEmi──30代半ばならではの憂いを赤裸々に吐き出していく、注目の女性シンガー・ソングライター

2017.03.06

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20代後半着飾ってステージに立てなくなってきた
女じゃなくて1人のメッセンジャーで聴いて欲しくて媚びたくなくって
緩いものしか見なかったこの目は 外で心で見て吸収しろという
オホホホ上品ぶるこの口は NoNoNoNo本音言って嚙みつけという

なりたい自分が皆あるだろう なれない理由を皆並べるだろう
風に吹かれてみてはどうだろう ぐらつく自分なんて嫌だろう
着飾ることを忘れた言葉で 私の心の景色を
ここで叫ぶんだ 叫ぶんだ Ohーーー!!!

(「Rebirth」より)


1982年、神奈川県・厚木市生まれ。現在34歳の女性シンガー・ソングライター〈NakamuraEmi〉。2007年に本名の〈中村絵美〉名義としてアーティスト活動を開始。当時はラブソングやバラードのような、いわゆるJ-Popを意識した楽曲を歌っていた。しかし28歳ぐらいの頃、ヒップボップやレゲエに出会ったことで、彼女の表現は大きな転機を迎える。

ラップのライミングやフロウから影響を受けた彼女の歌は、ラップとトーキング・ブルースの間を行き来するような、言葉を矢継ぎ早に詰め込んでいくスタイルへと進化していった。変化を遂げたのは歌だけではない。ヒップホップやレゲエと出会ったことで、リリックに描いていく表現もまた、自らの殻を破るように、あるがままの自分をさらけ出すようなリリックを紡ぐようになっていく──短大を卒業後、保育士の仕事をはじめ、地元の厚木で事務や工場勤務などさまざまな職業を経験してきた彼女は、バイトや職場で出会った市井の人々のタフな生活や、人それぞれの想いから受けた影響を糧に楽曲を制作していく。

セカンド・アルバムとなる『NIPPONNO ONNAWO UTAU vol.4』は、2016年1月のメジャー・デビュー以降、それまでの生活スタイルから音楽漬けの日々で変わっていくなかで生まれる葛藤や、30代半ばが持つモヤモヤと向き合いながら歌詞に紡いでいく。しかし聴後感はどこかスッキリしているのは、自らの世界に浸るのではなく、ネガティブの沼から這いつくばって抜け出していく、ポジティブなパワーを感じさせるからなのだろう。

でも大人の言うことを聞け 決して言う通りにしろじゃない
大人になったら逆に 誰も何も言ってくれない
 (中略)
聞いて 流して 信じて 捨てて 良くも 悪くも お手本だ
眼鏡拭いても世界は変わんない まず若造が背筋正して

子どもと大人の真ん中のこの曲も聞いて捨てろ

(「大人の言うことを聞け」から)




NakamuraEmi『NIPPONNO ONNAWO UTAU Vol.4』

NakamuraEmi
『NIPPONNO ONNAWO UTAU Vol.4』

(日本コロムビア)


official website
http://www.office-augusta.com/nakamuraemi/


NakamuraEmi「大人の言うことを聞け」 MV
NakamuraEmi「メジャーデビュー(Studio Session)」 MV
NakamuraEmi「YAMABIKO」 MV(メジャーデビューアルバム『NIPPONNO ONNAWO UTAU BEST』収録曲)


NakamuraEmi

NIPPONNO ONNAWO UTAU Vol.4
~Release Tour 2017~

2017年4月25日(火)神奈川・横浜BAYSIS
2017年5月2日(火)岐阜・ants
2017年5月5日(祝)香川・高松TOONICE
2017年5月7日(日)広島・LIVE JUKE
2017年5月9日(火)石川・金沢21世紀美術館・シアター21
2017年5月13日(土)北海道・札幌cube garden
2017年5月14日(日)宮城・仙台darwin
2017年5月26日(金)福岡・博多DRUM Be-1(バンドセット)
2017年5月29日(月)愛知・名古屋 CLUB QUATTRO(バンドセット)
2017年5月30日(火)大阪・心斎橋BIGCAT(バンドセット)
2017年6月1日(木)東京・恵比寿LIQUIDROOM(バンドセット)
*詳細はofficial websiteを参照ください。

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