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勝手にしやがれ──結成20周年を迎えたジャズ・パンク・バンド、円熟と革新が詰まったニュー・アルバム

2017.05.08

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ドラム/ボーカルの武藤昭平が中心となり1997年に結成した〈勝手にしやがれ〉。バンド名から連想するゴダールやジュリーやピストルズといったイメージは、そのまま彼らのサウンド、そしてアティテュードと直結する。迫力のホーンセクションを前面に打ち出したギターレス編成の6人組が奏でる音楽は、武藤の嗄れ声で歌われるむせ返るほどのダンディズムとロマンが貫かれた歌詞と、ジャズやスウィングをパンキッシュな熱量で昇華したサウンドで、まるで映画のシーンの中に迷い込んだかのような感覚にさせてくれる。

2004年のメジャー・デビュー・アルバム『フィンセント・ブルー』を筆頭に、これまでに11枚のオリジナル・アルバムを発表。また渡辺俊美(THE ZOOT 16/TOKYO NO.1 SOUL SET)、EGO-WRAPPIN’、オダギリジョーとのコラボなどを展開。2012年リリースの『メロディ』以降は、活動初期に所属していたレーベル=UKプロジェクトから発表を続けている。最近では小島麻由美のライブサポートを勝手にしやがれが手掛けたり活動の幅を広げている他、武藤個人としてもウエノコウジ(the HIATUS)とのコラボ・ユニット〈武藤昭平withウエノコウジ〉として勢力的に活動を展開中だ。

結成20周年を迎える節目の年にリリースする通算12枚目のアルバム『ア・デイ・カムズ』は、プロデューサーにGRAPEVINE やサニーデイ・サービスなどのサポートでも活躍するキーボード奏者の高野勲を迎えて制作。アイリッシュ・パンク調な「デヴィッド・スター」で賑やかに幕を開ける本作は、武藤が出演する映画『いぬむこいり』の主題歌「カオス」、ジプシー・ブラスからの影響を感じさせる「スウィート・バルカン・ビート」「コーヒー&シガレッツ」、若い世代のジャズ・バンドに刺激を受けて書いたという「コンパス」、アルバム製作中に逝去した武藤の父との思い出を散りばめたような「僕はヒーロー」「ア・デイ・ワズ」など、20年の月日が醸す円熟を感じさせながらも、随所に新機軸を窺わせる充実の一枚に仕上がっている。


勝手にしやがれ『ア・デイ・カムズ』

勝手にしやがれ
『ア・デイ・カムズ』

(UK.PROJECT)


official website
http://www.katteni-shiyagare.com/


勝手にしやがれ KATTE 20th 「ア・デイ・カムズ」ツアー
2017年6月15日(木)愛知・名古屋APOLLO BASE
2017年6月16日(金)京都・磔磔 
2017年6月月23日(金)宮城・仙台 HooK SENDAI
2017年6月24日(土)栃木・宇都宮 POP Garage
2017年6月29日(木)福岡・The voodoo lounge
2017年6月30日(金)岡山・MO:GLA
2017年7月11日(火)東京・下北沢 CLUB Que
2017年8月26日(土)北海道・札幌 Bessie Hall

勝手にしやがれ20th Anniversary Special「勝手二十祭」
2017年11月18日(土)東京・恵比寿LIQUIDROOM
出演者:勝手にしやがれ
ゲストミュージシャン:渡辺俊美(TOKYO No,1 SOUL SET、THE ZOOT16、猪苗代湖ズ) 他

詳細は勝手にしやがれ official websiteを参照ください。

映画「いぬむこいり」
2017年5月13日より、新宿K’s cinema 他で公開
監督:片嶋一貴
出演:有森也実、武藤昭平(勝手にしやがれ)、石橋蓮司、柄本明、江口のりこ、ベンガル、山根和馬、韓英恵、PANTA、緑魔子 他
http://dogsugar.co.jp/inumuko.html

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