TAP the NEXT

イノトモ──そよ風のように爽やかで可憐な歌声を聴かせるシンガー・ソングライター、約4年ぶりのアルバム

2017.11.21

Pocket
LINEで送る

それでも時間は流れてく
ボクらの思いはそのままに
かたちだけが変わってゆく
儚い記憶だけを残して
くりかえすイトナミの
しずかな、輝き
それぞれのやさしさが
行き交う夕暮れ
(「イトナミ」より)


来年デビュー20周年を迎えるシンガー・ソングライター、イノトモ。福岡県出身の彼女は、音響の勉強をするために18歳で上京。学校を卒業後はライブハウスや劇団の裏方の仕事をしていたが、二十歳の時に友だちのバンドに誘われてフェアグラウンド・アトラクション「ハレルヤ」を歌ったことがきっかけとなって歌に目覚め、その後ジャズクラブなどで歌いはじめるようになったという。

ウクレレよりも一回り大きく、アコースティックギターよりも一回り小さい〈ギタレレ〉という楽器を手に入れて、オリジナル曲を弾き語りするようになった彼女は、宅録でデモテープを作りはじめ、ライブ活動も開始した。

1998年6月、シングル「溶けてゆく午後」でデビュー。これまでに10枚のアルバムを発表してきたイノトモの魅力といえば、なんといってもその声だ。そよ風のように清涼感のあるやわらかな歌声は、主張は強くないのになぜか心にすーっと染み込んでは、ほのかな甘さを残していく。そんな個性的な歌声が買われ、「愛のコロッケ」「恋のかぞえうた」「いつかキミと」「タンポポ」など、彼女の楽曲はテレビやCMに数多く起用されてきた。

また、くるりのシングル「Birthday」や、ハナレグミのアルバム『オアシス』をはじめ、BEGIN、バンバンバザール、benzo、HARCO、リクオ、坂田学、菅野よう子など様々なアーティストの作品にコーラス/ボーカルとして参加するなど、ミュージシャンたちからも多大な支持を集めている。

約4年ぶり通算11枚目のオリジナル・アルバムとなる『森と声』は、イノトモ自身が立ち上げたレーベル〈NEUTRAL RECORDS〉からリリース。ほぼ全編、自宅で弾き語り録音した音源に、ゴンドウトモヒコ(METAFIVE、anonymass)、徳澤青弦、安宅浩司、塚本功(ネタンダーズ)、伊賀航、三宅伸治など、親交の深いアーティスト陣が演奏を重ねていって完成したという作品。宅録ならではの親密なサウンドにのせて、日々の暮らしの中でささやかに波立つ心象を、そこから波紋が広がっていく風景の微細な変化を、やさしくあたたかな歌とギターで描いていく。

それにしても、デビューから20年近くイノトモの歌を聴き続けてきたが、どうしてこんなに、いつまでも可憐であり続けるのだろう──なんて想いをめぐらせながらもう一度最初からリピートしては、その美しい声に浸っていたくなる。そんなアルバムだ。

はじまりは音もなく
枯れた月の影のよう
哀しいほど、美しい
ひとひらの ウソ のようでした
(中略)
はじまりは、音もなく
終わりと背中合わせで
手を伸ばすその先に
なんにもないことを知っていた
ひとつぶの涙も
こぼせないまま
朝がくる
(「はじまりは音もなく」より)



イノトモ『森と声』

イノトモ
『森と声』

(NEUTRAL RECORDS)


official website
http://inotomo.net/


アルバム「森と声」リリース記念ライブ
2017年11月23日(木・祝)愛知・金山ブラジルコーヒー
2017年11月24日(金)大阪・絵本カフェholoholo
2017年11月25日(土)兵庫・神戸 デイナーシング・デイサービス ぐらんど
2017年12月1日(金)長野・松本ゲストハウス東家
2018年1月14日(日)東京・鎌倉moln

other live schedule
2017年12月7日(木)東京・下北沢lete 弾き語りワンマン〜リクエストの会〜
2017年12月17日(日)東京・吉祥寺 長男堂(w/湯川トーベン、ネロ)

Pocket
LINEで送る

スポンサーリンク

関連アーティスト

関連するコラム

[TAP the NEXT]の最新コラム

このコラムへの感想・コメントを書く

Pagetop ↑