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イノトモ──そよ風のように爽やかで可憐な歌声を聴かせる、デビュー20周年のシンガー・ソングライター

2018.10.15

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それでも時間は流れてく
ボクらの思いはそのままに
かたちだけが変わってゆく
儚い記憶だけを残して
くりかえすイトナミの
しずかな、輝き
それぞれのやさしさが
行き交う夕暮れ
(「イトナミ」より)


デビュー20周年を迎えたシンガー・ソングライター、イノトモ。福岡県出身の彼女は、音響の勉強をするために18歳で上京。学校を卒業後はライブハウスや劇団の裏方の仕事をしていたが、二十歳の時に友だちのバンドに誘われてフェアグラウンド・アトラクション「ハレルヤ」を歌ったことがきっかけとなって歌に目覚め、その後ジャズクラブなどで歌いはじめるようになったという。

ウクレレよりも一回り大きく、アコースティックギターよりも一回り小さい〈ギタレレ〉という楽器を手に入れて、オリジナル曲を弾き語りするようになった彼女は、宅録でデモテープを作りはじめ、ライブ活動も開始した。

1998年6月、シングル「溶けてゆく午後」でデビュー。これまでに10枚のアルバムを発表してきたイノトモの魅力といえば、なんといってもその声だ。そよ風のように清涼感のあるやわらかな歌声は、主張は強くないのになぜか心にすーっと染み込んでは、ほのかな甘さを残していく。そんな個性的な歌声が買われ、「愛のコロッケ」「恋のかぞえうた」「いつかキミと」「タンポポ」など、彼女の楽曲はテレビやCMに数多く起用されてきた。

また、くるりのシングル「Birthday」や、ハナレグミのアルバム『オアシス』をはじめ、BEGIN、バンバンバザール、benzo、HARCO、リクオ、坂田学、菅野よう子など様々なアーティストの作品にコーラス/ボーカルとして参加するなど、ミュージシャンたちからも多大な支持を集めている。

2017年11月に発表された約4年ぶり通算11枚目のオリジナル・アルバムとなる『森と声』は、イノトモ自身が立ち上げたレーベル〈NEUTRAL RECORDS〉からリリース。ほぼ全編、自宅で弾き語り録音した音源に、ゴンドウトモヒコ(METAFIVE、anonymass)、徳澤青弦、安宅浩司、塚本功(ネタンダーズ)、伊賀航、三宅伸治など、親交の深いアーティスト陣が演奏を重ねていって完成したという作品。宅録ならではの親密なサウンドにのせて、日々の暮らしの中でささやかに波立つ心象を、そこから波紋が広がっていく風景の微細な変化を、やさしくあたたかな歌とギターで描いていく。

それにしても、デビューから20年近くイノトモの歌を聴き続けてきたが、どうしてこんなに、いつまでも可憐であり続けるのだろう──なんて想いをめぐらせながらもう一度最初からリピートしては、その美しい声に浸っていたくなる。そんなアルバムだ。

はじまりは音もなく
枯れた月の影のよう
哀しいほど、美しい
ひとひらの ウソ のようでした
(中略)
はじまりは、音もなく
終わりと背中合わせで
手を伸ばすその先に
なんにもないことを知っていた
ひとつぶの涙も
こぼせないまま
朝がくる
(「はじまりは音もなく」より)



イノトモ『森と声』

イノトモ
『森と声』

(NEUTRAL RECORDS)




20周年を迎えた今年、11月10日には武蔵野公会堂で20周年記念のワンマンコンサートを開催。またファンからのリクエストで選曲された彼女の名曲群を弾き語りで再録したベスト盤や、31曲のコード譜を収めたソングブックもリリースされる予定だ。

イノトモデビュー20周年コンサート
2018年11月10日(土)吉祥寺 武蔵野公会堂

メンバー
イノトモ(ボーカル、ギター)
塚本 功(エレキギター)
安宅浩司(ペダルスティール)
伊賀 航(コントラバス)
マツキチ(ドラムス)

開場17:00/開演18:00
ご予約\3,500/当日\4,000

予約&問い合わせ
info@inotomo.net

チケットレスの予約サイト
peatix https://inotomo.peatix.com/

イノトモ20周年記念特設サイト
https://inotomo.net/20th/

official website
http://inotomo.net/

『イノトモソングブック1998-2018』

『イノトモソングブック1998-2018』

(ライブ会場、公式通販サイトのみの販売)


*本コラムは2017年11月21日に初回公開された記事に、加筆修正したものです。

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