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ドリンキン・ホッピーズ──吾妻光良プロデュース、和製ジャンプ・ブルース・バンドの最新作!

2018.06.26

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四十になった男の嗜みさ
髪型7:3 悪霊退散
お祓いのひとつもやらなきゃ
四十になった男の運命さ
「何か臭い?」振り返る
なんと自分の加齢臭

Yeah, やってきた厄年
Oh, お祓いへGo! Go!
Yeah, やばいぜ厄年
Oh, my God!
(「やってきた厄年」より)


ボーカル&ギターの富山浩嗣を中心に、2006年に結成された和製ジャンプ・ブルース・バンド〈Drinkin’ Hoppys(ドリンキン・ホッピーズ)〉。1930〜40年代のジャンプ/ジャイヴ、ブギウギ、ブルース、R&Bなどの黒人大衆音楽を蘇らせ、ルイ・ジョーダンの心意気を日本語で歌い継いでいこうという、総勢12人編成からなる大所帯バンドだ。

都内を中心にライブ活動を繰り広げる彼らは、2010年に1stアルバム『Domestic Jump Blues!!』を発表。2013年には富山が「師匠」と敬愛してやまない、世界に誇るブルース・ギタリストの至宝、吾妻光良&ザ・スウィンギン・バッパーズの吾妻光良がレコーディング&ミックスを手がけた2nd『Makin’ Whoopee!!』をリリースしている。

そんな彼らが、3年ぶりのアルバム『I Ain’t Drunk, I’m Just Drinkin’』を完成させた。前作に引き続き録音は吾妻が担当し、3曲にゲスト・ミュージシャンとして参加(ボーナス・トラックにはバッパーズのベーシスト牧裕もゲスト参加)、さらにはプロデュースまで吾妻自身が手がけたという師匠の肝入りを受けて作り上げられた本作。大きな影響を受けてきた黒人ミュージシャンたちへのリスペクトを隅々まで詰め込みながら、収録の半数を占めるカバーでは、元曲の歌詞のフレーズや韻を生かしつつ新たな視点による日本語詞に換骨奪胎していく。そして四十代に突入した富山の中年の悲哀に満ちた歌詞は、よりリアルな切実感を孕んでユーモアの度合いがさらに加速した印象だ。

和製ジャンプ・ブルース・バンドの先駆者であるスウィンギン・バッパーズの影は色濃いものの、ドリンキン・ホッピーズにしか出せない、代え難い魅力や味わいも随所にあふれている。それらがこの先何十年かけて、どんな風に熟成されていくのかが楽しみでならない。未来へとつなぐオールド・ファッションな快作だ。


Drinkin_Hoppys『I Ain't Drunk, I'm Just Drinkin'』

Drinkin’ Hoppys
『I Ain’t Drunk, I’m Just Drinkin’』

(haleiwa records)



Drinkin’Hoppys 3rdアルバム『I Ain’t Drunk, I’m Just Drinkin’』発売記念ライブ
~酔っぱらってねえす、呑んでるだけっす~

6月30日(土)東京・高円寺JIROKICHI
 ゲスト:吾妻光良(vo,g)、高見優貴(vo)

official website
http://nomikai.cocolog-nifty.com/

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