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在日ファンク──浜野謙太率いるファンク・バンドがたどり着いた、ファンキー&メロウな新機軸

2018.11.29

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Hey you! 足元を見ろ 堅い地面誰のもの
踏め踏め 諦めるまで
Hey you! 足元を見ろ 堅い地面その汗で
踏め踏め 諦めるまで
Hey you! 足元を見ろ 堅い地面その涙で
踏め踏め 地果てるまで
道となる
(「足元」より)


『西郷どん』『グッド・ドクター』『まんぷく』といった人気ドラマに立て続けに出演するなど、俳優業も好調な浜野謙太。彼が中心となって活動するファンク・バンドが、〈在日ファンク〉だ。

昨年、結成10周年を迎えた在日ファンクだが、メンバーだったサックス奏者の後関好宏が脱退し、浜野とともにNewdayというトリオ編成のバンドで活動してきたサックスの橋本“KIDS”剛秀が新たに加入。さらには浜野とはとても縁の深い〈カクバリズム〉にバンドごと移籍……と、この1年で在日ファンクを取り巻く環境は大きく変化した。

一方で、ジェントル・フォレスト・ジャズ・バンドのバンマスとして活躍するジェントル久保田(トロンボーン)や、レキシや星野源などのサポートも務める村上基(トランペット)など個々の活動に加えて、在日ファンクホーンズとしても数多くのセッションワークもこなすなど、バンドのポテンシャルも高まっていく中で制作されたのが、2年半ぶりとなるニュー・アルバム『再会』だ。

カクバリズム移籍第1弾となった7インチ「足元」を筆頭に、オープニングを飾る〈検索ファンク〉「サチタイム」や、ゆったりとしたグルーヴでバンドの実力を見せつけるタイトル・チューン「再会」など、バンドの根幹にある、ジェイムス・ブラウンをルーツに持つ真性ファンク・ミュージックへの憧憬と尊敬はそのまま維持しながらも、作品全体としてはグッとメロウな表現にも幅を広げた印象が強い。リード・トラックにもなった「或いは」のネオソウル的なビートのズレ感が新鮮に映えるし、盟友サイトウ“JxJx”ジュン(YOUR SONG IS GOOD)が曲作りに参加した「なみ」はアイズレー・ブラザーズを彷彿させるアーバン・ブリーズにのせて、波のように寄せては返す暮らしの営みの中に、永遠に続く愛を見出していく傑作バラード。他にも、レーベル・メイトである思い出野郎Aチームからヴォーカルの高橋一をフィーチャーしてスリリングな掛け合いを聴かせる「飽和」など、聴きどころは満載。浜野が放つメッセージもこれまでの作品の試行錯誤を経てたどり着いた、シンプルで本質をつく言葉が、強靭なファンク・ビートの上で踊っている。



在日ファンク『再会』

在日ファンク
『再会』

(カクバリズム)



在日ファンク ニュー・アルバム『再会』
リリース記念ワンマンツアー「しようよ、再会」

2018年12月2日(日)愛知・名古屋 JAMMIN’
2018年12月8日(土)北海道・札幌 BESSIE HALL
2019年1月10日(木)大阪・大阪 umeda TRAD
2019年1月12日(土)福岡・福岡 BEAT STATION
2019年1月13日(日)広島・広島 セカンド・クラッチ
2019年1月20日(日)東京・鶯谷 東京キネマ倶楽部


アルバム『再会』特設サイト
http://zainichifunk.com/saikai/

official website
http://zainichifunk.com/

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