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デラウェア川

2013.10.31

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ジョニー・キャッシュの「Ragged Old Flag」に出てくる一場面。

アメリカの田舎町。すっかりさびれた郡(カウンティ)の庁舎の前にあるベンチに老人は座っている。
庁舎には、ボロボロになった国旗が傾くようにして掲揚されている。
主人公がそのことに触れると、「この町は初めてかね。まあ、座れ」と老人は言い、語り始める。

「国旗に空いた小さな穴が見えるだろ。あれはワシントンがデラウェアを超えた時のもんだ」

デラウェア川はアメリカ東海岸を流れる川で、1776年12月25日にジョージ・ワシントン率いる大陸軍がアメリカの独立を勝ち取るためにこの川を渡ったことで知られている。
その歴史は、第一次世界大戦、第二次世界大戦を経て、朝鮮戦争、ベトナムへと続いていく。
そして老人は最後に言い放つのだ。

「自慢するわけじゃないがな、俺たちはあのボロボロになった国旗に誇りのようなもんをもっとるのさ」

その様子を描いたエマヌエル・ロイツェ作の「デラウェア川を渡るワシントン」は、ニューヨーク、メトロポリタン美術館に収められている。


Johnny Cash / Ragged Old Flag

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