TAP the ROOTS

ジョンが歌ったベン・E・キングの名曲~「そばにいておくれ」と男が叫ぶ瞬間

2015.05.07

Pocket
LINEで送る

♪ 夜の帳が降り
  辺りは暗く
  明かりといえば
  月だけだ
  ああ、でも怖くない
  怖くなんかないのさ
  ただ君がそばにいてくれればね ♪


先月末天国へ旅立ったベン・E・キングの「スタンド・バイ・ミー」は、そんな歌詞で始まる。

Ben_E_King

1938年生まれのベンは、1940年生まれのジョン・レノンより2つ年上だ。
「スタンド・バイ・ミー」は1961年から1962年にかけてヒットした曲だから、ジョンがビートルズとしてデビューする直前に聴いていたことになる。実際、アルバム「ロックンロール」のアルバムジャケットに使用された写真は、デビュー前のビートルズが1961年、ハンブルグで演奏していた時代に撮られたものだ。

10120801

ところで、「ロックンロール」という1950年代から1960年代にかけてのロックンロール・カバー集が作られるきっかけは、ビートルズ解散直後に起きた訴訟だった。
ビートルズ後期のヒット曲「カム・トゥゲザー」がチャック・ベリーの「ユー・キャント・キャッチ・ミー」の盗作だ、と楽曲の著作権を管理する人物が訴えたのである。
そしてこの訴訟は、ジョンが彼の管理する楽曲を歌うことで(印税を支払うという形で)話がついたのである。

ジョンはプロデューサーにフィル・スペクターを迎え、アルバムのレコーディングを始める。
だが、なかなか思うように作業は進まない。ヨーコと離れて暮らすジョンの生活は荒れていたし、プロデューサーのフィルも酒びたりの日々を送っていたからだ。

ジョンは一度、「ロックンロール」の製作を取りやめ、自身の新作「心の壁、愛の橋」をレコーディングする。
アルバムには、「ユー・キャント・キャッチ・ミー」の著作権を管理する人物が扱っている楽曲、リー・ドーシーの「ヤ・ヤ」が収録された。
「心の壁、愛の橋」は大ヒットアルバムとなり、シングルカットされたエルトン・ジョンとのデュエット「真夜中を突っ走れ」はヒットチャートのトップに駆け上がった。

そして、1974年。ジョンは、ニューヨークで行われたエルトンのコンサート・ステージに飛び入りで登場するのだが、このコンサートの客席にヨーコがいたのである。

「真夜中を突っ走れ」の大ヒットで自信を取り戻したジョンは、「ロックンロール」の製作を再開する。
そして1975年、自らのプロデュースで完成された「ロックンロール」は発売され、「スタンド・バイ・ミー」がシングル・カットされるのだ。

♪ だから
  ダーリン、ダーリン
  スタンド・バイ・ミー
  そばにいて
  そばにいておくれよ ♪


ベン・E・キングは「スタンド・バイ・ミー」を書いた時、古いゴスペルを下敷きにしている。1905年、チャールズ・アルバート・ティンドリーが発表した「スタンド・バイ・ミー」である。

♪ 人生の嵐が猛威を振るう時
  そばに、そばにいてください
  艱難辛苦のその時に
  そばに、そばにいてください ♪


ジョンはベン・E・キングの「スタンド・バイ・ミー」をカバーしたが、こちらの黒人霊歌は、ボブ・ディランがカバーしている。

名曲「スタンド・バイ・ミー」よ。
ベン・E・キングよ。
そしてジョン。。。

いつまでも歌とともに
僕らのそばにいてください。。。
スタンド・バイ・ミー






ジョン・レノン『ロックン・ロール』
ユニバーサル ミュージック

Pocket
LINEで送る

スポンサーリンク

関連アーティスト

関連するコラム

[TAP the ROOTS]の最新コラム

このコラムへの感想・コメントを書く

Pagetop ↑