TAP the ROOTS

グレッグ・オールマンがスタジオに不法侵入してまで残したかった歌

2017.06.08

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 逃走を続ける真夜中のライダーを描いた「ミッドナイト・ライダー」は、オールマン・ブラザース・バンドのセカンド・アルバムに収録され、アルバムからの2枚目のシングルとしてカットされたが、大したヒットとはならなかった。
 だが、この歌に強い思い入れがあったのだろう。グレッグ・オールマンは、その2年後に発表する自らのソロ・アルバム『レイド・バック』でこの曲を録音し直すと、シングルとしては最大のヒット作となった。



 グレッグ・オールマンがこの曲を書いたのは1970年。バンドは当時、ジョージア州メイコンの湖岸にある農家を借りて住んでいた。月の家賃が165ドルだったというから、街からはかなり離れていたことがわかる。
 だが、長閑な湖畔の農家暮らしは、曲作りには適していたし、マリファナを吸っても、彼らを捕まえようとする警官を見かけることはほとんどなかった。

 その夜も、グレッグはひとり、ギターを手に外へ出た。そして、曲の構想が降ってきたのである。今すぐにでも、録音しておきたい。グレッグはそう思ったが、真夜中である。
 グレッグは、楽器担当のローディーだったキム・ペインを叩き起こした。だが、彼らが使っていたカプリコーン・サウンド・スタジオの鍵を彼は持ってはいなかった。
 そこで鍵を持っているであろうプロデューサーに電話を入れた。だが、「地獄に落ちろ!朝、出直して来い!」と言われただけだった。
 グレッグはペインを伴って、実力行使に出た。スタジオのガラス戸を壊し、鍵を開けたのだ。そしてアコースティック・ギター一本で、デモ・テープを完成させたのである。

 ペインは歌詞作りにも少しばかり貢献している。というわけで、「ミッドナイト・ライダー」の作詞作曲クレジットは、グレッグ・オールマンとキム・ペインの共作となっているのである。



「ミッドナイト・ライダー」は、1976年、ジャマイカのポール・デビッドソンによってカバーされ、英国でトップ10ヒットとなった。
 そして2007年には、パティ・スミスが「TWELVE」の中でカバーしている。


だが、俺は絶対捕まったりしない
真夜中のライダーは
絶対に奴らに捕まったりはしないのさ


死してなお、グレッグは走り続けているのかも知れない。兄デュアンとともに。。。






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