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炎の輪に堕ちていったジョニー・キャッシュ

2018.05.17

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 2003年5月17日。ジョニー・キャッシュの愛妻ジューン・カーターは、彼女の故郷であるテネシー州ヘンダーソンヴィルの墓地に埋葬された。葬儀には、その4カ月後に同じ墓地に埋葬されることになるジョニー・キャッシュの他、クリス・クリストファーソン、エミルー・ハリス、シェリル・クロウなどが参列した。
 ジョニーとジューン。ふたりを象徴する歌が「リング・オブ・ファイア」だった。


愛とは燃えるもの
燃えて、炎の輪となる
荒々しい欲望に縛られ
俺は炎の輪に堕ちていく


「リング・オブ・ファイア」は、ドラッグに苦しんでいたジョニー・キャッシュを第一線に復活させた1曲である。そしてこの曲は、結婚前のジューンがジョニーに送ったものだと言われている。



 リング・オブ・ファイア。
 普通に辞書を引けば、それは環太平洋火山帯の意味だということがわかる。
 だが、それではラブソングらしくない。
 では、燃えるような思いをジューンは火山帯になぞらえたのだろうか?

 ジョニー・キャッシュの最初の妻だったヴィヴィアンは、女の勘なのだろう、リング・オブ・ファイア=炎の輪とは「女性の身体のある部分」のことだろう、と述べている。
 つまり、燃え盛っているのは彼女の肉体だというわけである。そしてその肉体に、男が堕ちていくのだ。


俺は、燃え盛る炎の輪に
堕ちていく
深く、深く、堕ちていく
そして炎はさらに高くなり
燃えて、燃えて、燃え盛る
炎の輪、炎の輪




 カーター・ファミリーの一員として芸能界に登場して以来、歌手、女優、コメディアンなど、さまざまなフィールドで活躍したジューンの付き合いは広かった。同じ姓で、後にアメリカ大統領となるジミー・カーターは、父方の親戚だった。

 2005年の映画「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」では、リース・ウィザースプーンがジューンを演じたことは記憶に新しい。
 2013年には、ジョニー・キャッシュ・ファミリーを扱ったテレビ映画「リング・オブ・ファイア」が放映され、ここではジュエルがジューン役を演じている。


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