「本物の音楽」が持つ“繋がり”や“物語”を毎日コラム配信

TAP the POP

TAP the ROOTS

『サタデー・ナイト・ライブ』が始まった日、ジョン・ベルーシが移民に扮した夜

2018.10.11

Pocket
LINEで送る

 その番組は、突然、コントで始まった。
「英語のレッスン」という名で呼ばれているその寸劇は、ブラック・ユーモアで名を響かせたマイケル・オードナヒュー演じる英語教師が、後にブルース・ブラザーズでヒーローとなるジョン・ベルーシ演じる移民に、英語を教えるという設定である。

 簡単なフレーズを言っては、「リピート・アフター・ミー」と繰り返す、教師。だが、彼は突然、発作を起こし、倒れてしまう。すると、それを見たジョン・ベルーシも一緒に倒れてしまう、という内容だった。
 そこにチェビー・チェイスが割って入る。
 そして叫ぶのだ。

「ライブ・フロム・ニューヨーク!イッツ・サタデイナイト!」

 1975年10月11日。
 アメリカを代表するエンターテインメント番組「サタデー・ナイト・ライブ」が始まった瞬間である(番組開始当初は「ライブ」がついていなかった)。

 第1回目の音楽ゲストは、ビリー・プレストンとジャニス・イアンだった。
 ビリーは1974年のナンバーワン・ヒット曲「ナッシング・フロム・ナッシング」などを歌い、ジャニスは、1975年のナンバーワン・ヒット「17歳の頃」などを歌った。



 第2回目の放送では、ポール・サイモンがホストをつとめた。グラミー賞最優秀アルバムを受賞する「時の流れに」に合わせた出演だったが、アート・ガーファンクルとの久しぶりの共演は、ファンを喜ばせ、S&G名義で発売した「マイ・リトル・タウン」は全米ナンバーワンに輝いた。


 数々の伝説を作ってきた「サタデイ・ナイト・ライブ」。だが、その中でもこの番組が生んだ最大のスターといえば、ジョン・ベルーシ率いるブルース・ブラザーズだろう。
 コントで始まったグループは、映画となり、レコードを大ヒットさせたのである。

 それにしても、と思う。
 1975年。
 ポール・サイモンが「僕の小さな故郷」というタイトルの曲をアート・ガーファンクルとともに歌った年。
 ジョン・ベルーシは、移民を演じていたのである。
 だが、彼が演じた移民は、英語教師の言ったことを忠実に模倣しようとする移民だった。
 2018年。
 もし、ジョンが生きていたら、彼はどんな移民を演じていたのだろう。そう考えてしまうのである。

Pocket
LINEで送る

あなたにおすすめ

関連するコラム

[TAP the ROOTS]の最新コラム

SNSでも配信中

Pagetop ↑

トップページへ