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デトロイト・ロック・シティ〜KISSのコンサートが地獄への片道切符だった頃

2020.08.13

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2019年12月、キッス最後の来日ツアーがスタートする。1977年に最初の来日公演を行って以来、今回で12回目。このラストツアーは集大成的なショウになること必至で、参加できる人はラッキーだと思う。

キッスといえば、まさにロックンロール・サーカスとでもいうべき計算し尽くされたステージパフォーマンスが有名。派手なメイクや衣装で装ったメンバーたちが動き回り(しかも時には火を放ち)、完璧な演奏をしながらファンを長時間楽しませてくれる姿は、はっきり言って驚異的である。

「キッスアーミー」と呼ばれる熱狂的なファンは、レコードやCD、DVDや書籍はもちろんのこと、キャラクターグッズの収集にも余念がない。1970年代前半、キッスを自腹の金で売り込んでデビューさせたマネージャーのウィリアム・オークウェンは、自らの名前でバンド名や楽曲、メーキャップなどの著作権を次々と登録し、25%の売り上げを懐に収め続けたらしいが、それだけこのバンドに可能性を感じていたのだろう。

そんなキッスの最初の絶頂期が1978年。メンバーもキッスアーミーの年齢もまだ若かった頃。彼らを有名にした地、デトロイトのコボホールでのコンサートをクライマックスに描いた映画がある。『デトロイト・ロック・シティ』(Detroit Rock City/1999)だ。

ジーン・シモンズ、ポール・スタンレー、エース・フレーリー、ピーター・クリスのオリジナルメンバーで活動していたキッスは、1978年に初のベスト盤『Double Platinum』をリリース。各メンバーのソロアルバムも発売され、前年の『Love Gun』はバンド最高の売り上げを記録。全米ツアーも盛況を続けていた頃。

中西部のとある町。ホーク、ジャム、トリップ、レックスの高校生4人組は、キッスのコピーバンドを結成し、明日に迫ったデトロイトでのキッスのコンサートに行くことを生きがいにしている。しかし、キッスが悪魔の使者以外の何者でもなく、コンサートは地獄への片道切符である決めつけるジャムの厳格な母親が、あろうことかチケットを燃やしてしまう。

4人はあらゆる悪知恵を使ってチケットを入手しようとするが、クセの強い連中との災難続きでなかなか事はうまく運ばない。そこにティーンロマンスや少年たちの友情が重なりながら、ストーリーは展開されていく。

自らキッスファンでもあった監督は言う。「ロックンロールのことしか考えられなかった自分の青春のすべてがこの作品に凝縮されている。音楽だけでなく、当時の情熱、喜び、興奮、その時代にしかできない戦いなどを思い出す」

映画の撮影は実際にはカナダのトロントで行われ、当時のデトロイトに見えるようにセットが組まれた。エキストラには70年代の衣装を着てくるように告知して、コンサートシーンも撮影された。ジーン・シモンズはファンたちの協力に胸が熱くなったという。

1978年といえばディスコブーム全盛期でもあり、ディスコ好きなクラスメイトとバトルするシーンが面白い。「お前らのキッスもそのうちディスコになるぜ」「キッスがそんなヤワなことするわけないだろ」。翌年にキッスは「I Was Made for Lovin’ You」でディスコ路線に走るので、思わずニヤついてしまう。

なお、映画の全編には「Love Gun」「Rock and Roll All Nite」「Beth」「Detroit Rock City」といったお馴染みのキッスのナンバーのほか、AC/DC、T.レックス、シン・リジィ、UFO、ブラック・サバス、ランナウェイズ、ラモーンズ、チープ・トリック、ELO、サンタナ、スティクス、ヴァン・ヘイレンなどの曲が流れまくる。これだけでも『デトロイト・ロック・シティ』のロックに対する愛と本気ぶりが分かるはずだ。

映画を観終わってチラシのイラストを見ていると、1979年にラモーンズが出演した映画『ロックンロール・ハイスクール』を思い出した。内容もなんとなく似ている……さあ、まもなくキッスのステージが開幕する!!

予告編


『デトロイト・ロック・シティ』(Blu-ray)

『デトロイト・ロック・シティ』(Blu-ray)


*日本公開時チラシ

*参考・引用/『デトロイト・ロック・シティ』パンフレット

評論はしない。大切な人に好きな映画について話したい。この機会にぜひお読みください!
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