TAP the SCENE

バーレスク〜クリスティーナ・アギレラとシェールが魅せるセクシー&ゴージャスな世界

2017.11.15

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スモールタウンのような田舎町で育った女の子が、夢を実現させるためNYやLAのような都会に出る。そこでいきなり厳しい現実と直面しながらも、必死になってきっかけを作ろうとする。やがて自分と同じような立場にいる男の子との出逢い。風変わりだけど心強い仲間たちの存在。しかし、そこに金にモノを言わせる連中が現れ、夢は誘惑に溺れながら歪んだものに変えられそうになる。だが恋や友情が進むべき道を教えてくれ、最後には女の子は笑顔と輝きを取り戻す……。

映画においてこのようなプロットは珍しくない。例えばこのコーナーでこれまで取り上げてきたラインナップの中でも、『ロック・オブ・エイジズ』(2012)や『コヨーテ・アグリー』(2000)などはその代表だろう。そして今回の『バーレスク』(Burlesque/2010)も新たにそのリストに加わった。しかもこの作品には『ムーラン・ルージュ』のような“魅せる”要素がある。

アメリカでのバーレスクとは、もともとはステージを使った歌あり芸ありの伝統的なバラエティ・ショーのこと。それが時代と場所、周辺の大衆文化を貪欲に吸収・反映させた結果、次第にストリップショーへと姿を変えていった。人気が下降して完全に廃れたこともある。ところが1990年代に入ると再評価。古典的なバーレスクのノスタルジーに、現在のテイストを加えた「ネオ・バーレスク」「ニュー・バーレスク」と呼ばれる動きが出てきた。

バーレスクは、もともと今日の僕らが思うタイプのショーではなかった。コメディ、パロディ、流行歌などのバリエーションに富んだパフォーマンスがあり、いろいろな才能が関わるエンターテインメントだったんだ。それが海を越えてイギリスからアメリカに渡って来た時、ストリップもあるようなセクシャルなショーに変革してしまった。この映画はもともとのバーレスクに敬意を捧げるものだ。(スティーブン・アンティン監督)


そのスピリットはこの映画の見どころとでも言うべき、数々のセクシーなバーレスク・ダンスショーで堪能できる。スクリーンやモニターに映る世界でも目が釘付けになるのは、個性的なキャスティングが効いているから。クリスティーナ・アギレラ、シェールの存在が眩しすぎる。

ブリトニー・スピアーズらと時を同じくして1999年に大ブレイクしたクリスティーナ・アギレラには、当然映画のオファーが相次いだ。彼女が約10年という時間をかけて選んだのが『バーレスク』で、映画デビューはそのまま主演作に。さらに自ら新曲を書いて音楽度の向上にも貢献。エタ・ジェイムズのカバーにおけるパワフルな歌唱は、アギレラの持ち味が活かされた名場面になった。

クリスティーナ・アギレラに関しても、シェールに関しても、第二の候補は考えていなかった。僕は全部のシーンの絵コンテを描かせ、セット・照明・メイク・コスチュームまでしっかりと注釈をつけて、参考資料や写真などあらゆるものを揃えたうえで二人にアプローチした。


シェールはその時「これはまさに私の世界。私はこれをやるべきだわ」と言ったそう。60年代から活躍する歌姫のレジェンドであるばかりではなく、『月の輝く夜に』(1987)ではアカデミー主演女優賞に輝いたこともある彼女にとって、バーレスクはインスピレーションの源だったのだろう。

物語は、田舎娘のアリ(クリスティーナ・アギレラ)が夢を叶えるためにLAに向かうところから始まる。ある夜、彼女の心を奪ったのは、セクシーでゴージャスなダンサーたちがショーを繰り広げる「バーレスク」だった。バーテンダーのジャック(カム・ジガンデー)と仲良くなった彼女はさっそくクラブで働き始める。

経営者のテス(シェール)は自ら舞台にも上る大スター。しかし毎晩の賑わいが嘘のように、クラブは経営難に陥って借金が返せずに、成金の不動産業者マーカスから買収計画を持ち掛けられている。裏には何かがありそうだ。

店を手放したくないテス。夢を叶えようとするアリ。そしてアリに想いを寄せるジャック。「バーレスク」を舞台に3人の人生、夢、恋が描かれていく……。

なお、ダンサー役で、2年後に『ロック・オブ・エイジズ』で主演するジュリアン・ハフがキャスティングされていることにも注目だ。

予告編


アリ(クリスティーナ・アギレラ)がエタ・ジェイムズの「Tough Lover」を歌い上げる名場面。

『バーレスク』

『バーレスク』


*日本公開時チラシ

*参考/『バーレスク』パンフレット

評論はしない。大切な人に好きな映画について話したい。この機会にぜひお読みください!
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