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TAP the SONG

処刑の日を迎える死刑囚の歌だった「思い出のグリーングラス」

2013.11.22

テネシー州のナッシュヴィルを中心に活動をしていたカーリー・プットマン・ジュニアが、1965年に発表した「Green, Green Grass Of Home」(思い出のグリーングラス)は、その翌年に大西洋を越えてイギリスでシングルが大ヒット、全英シングル・チャートでは7週間も1位に輝いた。

歌ったのはトム・ジョーンズ、映画「007 サンダーボール作戦」や「何かいいことないか子猫チャン」の主題歌を歌ったことで知られる、ダイナミックで声量と表現力が豊かなシンガーだった。

その後、全米チャートでもまずまずのヒットとなり、ジョーン・バエズやエルビス・プレスリー、ケニー・ロジャースといったフォークやロック、カントリーの大物シンガーによってカバーされた。

この歌が日本でも愛されているのは美しくて歌いやすいメロディーと、都会暮らしに疲れた人が緑あふれる故郷を思うテーマがわかりやすいからだろう。

悲しい夢みて泣いてた私 ひとり都会で迷ったの

生まれ故郷に立ったら 夢がさめたのよ

思い出のグリーン・グリーン・グラス・オブ・ホーム

森山良子の歌った歌詞では、最後まで「笑顔でだれもむかえてくれるの 思い出のグリーン・グリーン・グラス・オブ・ホーム」が繰り返されて、ほのぼのとした気持ちでハッピー・エンディングの世界が完結する。

しかしオリジナルの英語詞には、その続きがあった。

目を覚ました主人公を待っていたのは、自分が処刑の日を迎える死刑囚という現実である。

And I realize that I was only dreamin’
それで ぼくは夢を見てたんだとわかった

There’s a guard and there’s a sad old padre
そこには看守がいるし 悲しげな顔の老いた牧師もいる

Arm and arm we’ll walk at daybreak
夜が明けて、ぼくは両腕をとられて歩かされる

Again I’ll touch the green, green grass of home
もう一度、ぼくは故郷の緑鮮やかな草に触れるだろう

絞死刑となった自分の遺体が埋葬されるシーンを思い浮かべるところで歌は終わる。

繰り返し行われた刑務所の慰安ライブでこの歌を唄っているジョニー・キャッシュの、淡々とした歌声からは囚人たちの無念の思いがズシリと伝わってくるかのようだ。

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