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「ガラスのジェネレーション さよならレボリューション」〜新しい時代の新しい音楽が聴こえてきた瞬間

2016.10.21

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レコードを聴くときの喜びは、まずジャケットのビジュアルから始まる。

そっとレコード盤を取り出して、歌詞カードを目にしながらターンテーブルに載せる。

最初の1行の歌詞を目にして、期待に胸がふくらんだ。

「ガラスのジェネレーション さよならレボリューション」

歌詞をざっと半分くらいまで目にして、回り始めているレコードの頭にそっと針を落ろす。

スネアドラムの短いフィルに続いて、軽快にリズムを刻むピアノによる小気味良いサウンドが流れてきた。

佐野元春のヴォーカルはダブルトラックで、それまで耳にしたことがないポップで品のいい日本語だった。



ジェネレーションによって、レボリューションの意味は違ってくる。
聴いている人が体験したこと、感じている時代の空気によっても、受け取り方はそれぞれだろう。



だが歌の意味をどう解釈しようとも、瑞々しいヴォーカルと斬新なサウンドには、聴き手を高揚させる力があった。

歌詞カードにもう一度目をやって、編曲者が伊藤銀次であることを知る。


大瀧詠一が作ったナイヤガラレーベルからデビューするはずだったバンド、大阪府出身のココナツ・バンクの元メンバーで、1976年には大瀧詠一と山下達郎の3人でアルバム『NIAGARA TRIANGLE Vol.1』を発表した才人だ。

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シュガー・ベイブのゴキゲンな代表曲、デビュー・シングル「DOWN TOWN」を作詞したのが伊藤銀次だったことを思い出す。
名曲誕生への期待が大きくふくらんでくる。
こういう体験は、なかなか味わえないものだ。

最後まで聴き終えて、もう一度、気持ちの昂ぶりを確かめたくて、ピックアップをそっと持ち上げる。
そして回っているレコードの頭に、再び針を下ろす。

「見せかけの恋ならいらない」という意志表示も、「本当の事を知りたいだけ」という願いも、ジェネレーションには関係ない。

ピュアな気持ちを持っている人間に共通するのが純情と純潔。
そこにはいつも「ひとりぼっちのドア」という悲しみがついてくる。

新しい時代の新しい音楽がやってきたことを確信した。

1980年10月21日、「ガラスのジェネレーション」のレコードが発売になった。

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