TAP the SONG

「サティスファクション」はキースの40分のいびきと一緒にカセット・テープに録音されていた②

2015.06.06

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その「サティスファクション」を、キースはまだ完成とは思っていなかった。

もう頭のなかには、その後でオーティス・レディングがやったみたいなリフが鳴り響いていたんだ。
しかしストーンズにはホーンはないから、多重録音(オーバーダブ)するつもりでいた。
ファズトーンは便利だ。ホーンに似た音にできる。


あくまでホーンを録音するためのガイド代わりに、キースは便利なファズトーンで、ガイドのギター・リフを入れたつもりだった。

ところがマネージャーのアンドルー・オールダムは、そのままアメリカだけで6月6日にシングル発売してしまったのだ。
しかもジャケットの右下には大きく、Produced by ANDREW LOOG OLDAHMと、自分のクレジットを入れていた。

これはキースの意向を無視したアンドルーの、英断の勝利だったのかもしれない。

Satisfaction-us

アメリカ・ツアー中にラジオから流れてきた「サティスファクション」を耳にして、何も知らされていなかったキースは驚いて、当然ながら怒ったし、悔しがった。

俺は多重録音(オーバーダブ)したかったんだ。
ところが、ツアーであちこち回っているうちに、あの曲はアメリカ1位を獲得した! 
だから、つべこべ言う気はない。
それに、教訓も得た。
人はときに過剰に走る。
何もかもが自分好みでいいわけじゃない。


「何もかもが自分好みでいいわけじゃない」とは、なんとも自然体のキースらしいさばけ方である。

とはいえキースはステージ向きではないという理由で、しばらくライブでは「サティスファクション」を演奏しなかった。
その気持ちが変わったのはオーティス・レディングやアレサ・フランクリンが、素晴らしいカヴァーを発表してくれたからである。


Aretha Flanklin / Satisfaction

アレサ・フランクリンのバージョンに、最初に書きたかったものが聴こえた。
それからあれが好きになって、ステージで演奏し始めた。
なにしろ、ソウル音楽の最高峰たちが俺たちの曲を歌っていたんだからな。




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Otis Redding / Satisfaction

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