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【第4回】サン・リトル──エモーショナルな歌声とギターが胸を打つ、ネオ・ソウルの新星

2015.11.27

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ソウル/R&Bをルーツに持つ現在進行形アーティストをクローズアップしながら、過去と未来につながる名盤をあわせて紹介していく、HMV Record shopとのコラボ連載。第4回目は、フィラデルフィアを拠点に活動する新星シンガー・ソングライター、サン・リトルを取り上げます。

哀愁をまとった少し嗄れた歌声と、激しい熱情を感じさせるエレキギターの歪んだ音色──ネオ・ソウル・シーンに登場した新星、サン・リトル。その音楽からは、聴くほどにブルースを感じる。

LAの牧師の息子として生まれた、サン・リトルことアーロン・リヴィングストン。ルーツ・ミュージックに囲まれて育った彼はNYに渡ってヒップホップに出会い、その後フィラデルフィアを拠点とするソウル/ファンク・バンド〈ザ・ミーン〉のギター&ボーカルとして活動。ソロ・アーティストに転向してからは、ヒップホップ・ソウル・バンドの代表格であるザ・ルーツ「Sleep」(2011年)や、人気ビートメイカーRJD2の「Love And Go」(2013年)にシンガーとしてフィーチャーされるだけでなく、ベテラン女性シンガー=メイヴィス・ステイプルズ『Your Good Fortune』(2015年)のプロデュースを手がけ、さらにはマムフォード&サンズやフライング・ロータスらとツアーを展開。2014年にEP『Things I Forgot』でソロ・デビューを果たすと、NMEやBBC Radio Oneなど多くのメディアが注目を寄せた。

2015年10月発表されたファースト・フル・アルバム『Son Little』は、黒人霊歌のようなハーモニーとオートチューンの無機質な肌触りがミスマッチする「I’m Gone」にはじまり、タイトルとは裏腹に悪夢のごとくミステリアスな「Nice Dreams」、エレクトリック・ブギーな「Toes」、パワフルな歌とギターをここぞと炸裂させる直球なブルース・ロック「Carbon」、美しいコーラスワークを聴かせるスロー・バラード「Lay Down」、泥臭くルーツに肉薄したブルース・ナンバー「The River」、幻惑的なエレクトロニカル・ロッカ・バラードといった風合いの「About A Flood」……と、曲ごとに現代的なサウンド・アプローチをさまざまに施しながら、脈々と受け継がれてきたソウル/ブルースの根源的なエモーションをプリミティブに表出させていく。ネオ・ソウル、あるいはオルタナティヴ・ソウルとカテゴライズされる彼ではあるが、そんなカテゴリーからも、ましてや王道のソウル/ブルースからもはみ出してしまういびつな個性を感じさせる。しかし、そのいびつなはみ出し具合こそが、今の時代ならではの「ソウルフル」で「ブルージー」な魂の発露なのかもしれない。(宮内健)

“サン・リトル『Son

サン・リトル
『Son Little』

(Anti-)



サン・リトル「Lay Down」 MV
サン・リトル「The River」 MV
サン・リトル「Carbon」 Audio
サン・リトル「Nice Dreams」 Audio


サン・リトルとつながる名盤たち  SELECTED by HMV record shop渋谷
“ビル・ウィザース『Just

ビル・ウィザース
『Just  As I am』

(Carmen Hendricks Music)

  • HMV


  • サン・リトルのサウンドを表現するならば〈ブルージーなヒップホップ・ソウル〉。そんな作品のルーツをさかのぼっていくと、おのずと浮かび上がってきたのが本作。名曲「Ain’t No Sunshine」をはじめ、ブルース、ロック、ソウル、はたまたヒップホップ、R&B世代までジャンルを問わず幅広い層から愛聴される楽曲が満載。発売から40年という月日が経った今でも色褪せることのない素晴らしい作品です。(堀内学)

“ディアンジェロ『Brown

ディアンジェロ
『Brown Sugar』

(ユニバーサルミュージック)

  • HMV


  • サン・リトルを見い出したともいえる、ザ・ルーツ。グループの総帥でもあるクエストラブ絡みのソウル作品といえば、やはり本作をあげないわけにはいかないでしょう。本作を機に〈ネオ・ソウル〉という言葉が定着し、その後生まれた新しいソウル・ミュージック(オルタナティブ・ソウル)まで影響を与え続けている作品はほとんどないのでしょうか。20年前にリリースされたとは到底想像もつかない、未来永劫に語り継がれる歴史的名作です。(堀内)

“アロー・ブラック『Good

アロー・ブラック
『Good Things』

(Stones Throw)

  • HMV


  • ブルージーなヒップホップ・ソウルを代表する現代最高峰のシンガーといえば、真っ先に思い浮かぶのがアロー・ブラック。米西海岸の優良レーベル〈Stones Throw〉からリリースされた本作もまた、ジャンルにとらわれず幅広い層から指示されている屈指の名盤。ヒップホップ、R&B世代が提言する理想のソウル・ミュージックの答えの一つが本作とも言えるのではないでしょうか?(堀内)



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