TAP the POP

復活と再生〜ロジャー・ウォーターズほか

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「TAP the COLOR」連載第41回

1980年代半ばは、プロモーションツールとしてのMTVを通じて続々と新しいアーティストがデビューして話題になる一方で、60年代や70年代から活動を続けるベテラン・アーティストの脱退〜ソロ化や渾身の復活作が目立った時期。ロックの成熟化の始まりでもあった。

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トミー・ショウ『Girls With Guns』(1984)
「ドモ、アリガト。ミスター・ロボット」でも知られたスティクスを1983年に脱退したギタリスト、トミー・ショウのソロデビュー作。ポップなタイトル曲もヒットしたが、バラードの「Lonely School」が何よりも素晴らしい。トミーは1990年代にはダム・ヤンキースで活動。


ロジャー・ウォーターズ『The Pros and Cons of Hitch Hiking』(1984)
1983年の『The Final Cut』はロジャーの私的なアルバムということもあり、バンドに亀裂が生じてロジャーは脱退。本作でソロデビューして、もう一つのピンク・フロイドして歩み始める。名曲「Every Strangers’ Eyes」の泣きのギターはもちろんエリック・クラプトン。

スティーヴ・ウィンウッド『Back in the High Life』(1986)
4年ぶりに放ったソロ4作目にして活動の頂点に立った最高傑作。チャカ・カーンをゲストに迎えた「Higher Love」は全米1位を獲得しただけでなく、グラミー賞のレコード・オブ・ジ・イヤーを受賞。最近ではクラプトンとの共演ツアーも記憶に新しい。

ランDMC『Raising Hell』(1986)
ラップ史上初のプラチナアルバム。この作品でヒップホップがメインストーム化。アディダスもデフ・ジャム・レコーディングスもリック・ルービンも本作で有名になった。そして「Walk This Away」ではエアロスミス再ブレイクのきっかけ作り。今聴いてもまったく古くない。

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