TAP the POP

90年代の宝物〜スマッシング・パンプキンズほか

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「TAP the COLOR」連載第53回

ある世代にとって1990年代というのは特別な時代だ。オルタナティヴ・ロックが一気にメインストリーム化していく過程の中で、様々な表情を持ったバンドやアーティストが最高の音楽を作ろうとした。CDを毎月のように買っていた時代でもあった。

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スマッシング・パンプキンズ『Siamese Dream』(1993)
スマパンの大ブレイク作。グランジブームの中でX世代に最も支持されたバンド。白人、女性、アジア人といった男女と人種がミックスされた構成も独自の雰囲気を放った。大名曲「マヨネーズ」をはじめ、Dragon Ashもサンプリングした「トゥデイ」を収録。


レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン『The Battle of Los Angeles』(1999)
文字通り、前作『Evil Empire』よりも緊張感とバトル感を増したレイジの傑作。トム・モレロのギターはもはや楽器を超えた闘いの道具と化し、ザックの歌が街頭スピーチのように響き渡る。当時タワレコのPOPには「あのヒロスエも聴いている!」と書かれていた。

ソニック・ユース『Goo』(1990)
アングラ感MAXだった即興ノイズバンドがメジャー契約してリリースした1作目。オルタナティヴ・ロックがメインストリーム化する1990年代、その扉を開けた一枚がこのアルバムだった。ジャケのイラストは彼らの友人レイモンド・ペティボーンによるもの。

ソウル・アサイラム『Grave Dancers Union』(1992)
1990年代の早い段階で、忘れ得ぬシングルヒット「Runaway Train」(全米5位)を飛ばしたアメリカンロックバンド。どこか儚げな旋律に乗せて行方不明になった少年少女たちの写真が映されたMVが注目され、グラミーも受賞した。地道な活動が報われた。

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