TAP the POP

黄金色のデビューアルバム〜リチャード・ヘル/ジェネレーションXほか

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「TAP the COLOR」連載第82回

1970年代のニューヨークとロンドンのパンクシーンから。1980年代の東海岸のハードロック/ヘヴィメタルシーンから。1990年代のオルタナティヴ/ルーツロックシーンから。黄金色に輝くデビュー盤。

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リチャード・ヘル&ザ・ヴォイドイズ『Blank Generation』(1977)
ジョニー・サンダース、ラモーンズ、パティ・スミス、テレヴィジョン、ブロンディ、トーキング・ヘッズらとともにニューヨーク・パンク・シーンの重要人物/バンドであるリチャード・ヘル。そんな彼の逆立てた髪、破れたTシャツ、安全ピンといった奇抜なファッションに目をつけたマルコム・マクラーレンが、英国に持ち込んだことは有名な話。パンクを語るのに絶対不可欠なタイトル曲(言葉)のほか、1枚目らしい熱くクールな演奏と歌が聴ける。ヘルは現在、文筆家/俳優として活動している。


ジェネレーションX『Generation X』(1978)
ロンドン・パンクからも1枚。メンバーのルックスの良さで人気が高く、ポップな曲調もヒット性抜群。ビリー・アイドルを看板とした彼らのデビュー盤で、「Ready Steady Go」や「Kiss Me Deadly」はその代表。ビリーはこの後、パンクスからポップスターへと変身。1980年代には大量のヒットを連発していく。

ボン・ジョヴィ『Bon Jovi』(1984)
LAメタル全盛の1984年、東海岸のニュージャージー州からデビューした彼ら。ジョン・ボン・ジョヴィとリッチー・サンボラというハンサムなルックスもあり、日本では先行人気。「Runaway」は日本語カバーまで生まれた。1986年の3枚目で世界的ブレイクを果たしてHM/HRの象徴的存在となるが、多くのバンド同様、90年代のオルタナティヴの時代で失速。しかし、彼らは強かった。様々な音楽性を取り込み、今ではアメリカを代表する良質なロックバンドだ。

カウンティング・クロウズ『August and Everything After』(1993)
1980年代のREMを代表とするアメリカン・インディーズは、90年代に入ってオルタナティヴ・シーンの中のルーツ・ロックとして大ブレイク。フーティ&ザ・ブロウフィッシュやブルース・トラヴェラー、デイヴ・マシューズ・バンドやブラック・クロウズらが凄まじいセールスを記録した。サンフランシスコ出身のカウンティング・クロウズもそんな流れから出てきた5人組。ヴァン・モリソンやザ・バンドがそうだったように、聴こえて来る音楽に一切の偽りや虚飾なし。プロデュースはTボーン・バーネット。

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