TAP the POP

驚異のブラックアルバム〜AC/DCほか

★ダウンロード/ストリーミング時代の色彩別アルバムガイド
「TAP the COLOR」連載第5回

ブラックアルバム──そこには得体の知れぬ凄まじい力、あるいは静寂の音色が不気味に漂う。今回紹介する4枚は「終焉、復活、転機、確信」が詰まったベストセラーばかり。黒いジャケットは売れるという魔術でもあるのか? プリンスやJAY-Zのブラックアルバムも重要作。

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AC/DC『Back in Black』(1980)
オーストラリアが生んだモンスターバンド。全米制覇目前にヴォーカリストのボン・スコットの死。しかし、タフな彼らはこの最高傑作を録音。ヤング兄弟が主導するリフ系ロックンロールの宴。全米だけで2200万枚、世界で最も売れた(4000万枚以上)、最強&伝説のロックアルバムの一つ。


イーグルス『‪The Long Run‬』(1979)
前作『Hotel California』と表題曲で一つの幻想=カリフォルニアとロックの夢物語に終止符を打ったイーグルス。やるべきことはやり遂げた感もあったのだろうか。本作をリリースして解散してしまう。すべての曲に哀切を帯びた終焉感を漂わせつつ、乾いた感覚がたまらない。


メタリカ『Metallica』(1991)
1983年のデビュー当時はこんな音でメジャーで通用するのかなどと批評されていたけど、それは歴史が証明することになる。スラッシュメタル時期を経て、本作ではヘヴィ・ロックの金字塔を打ち立てた。全米だけで1600万枚以上(もちろん1位)、世界で3000万枚以上を売り上げる。


キッド・ロック『Rock n Roll Jesus』(2007)
1990年代末にラップメタルとリンクして大ブレイク。次第にロックやカントリー色を強める。良質な音楽遺産をテイストに、「アメリカ合衆国の今の音」を作るのが巧いアーティスト。エミネムの友人でもあり同郷のデトロイト出身。もちろん、大御所ボブ・シーガーにも繋がる。

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