1959年2月3日の未明、悪天候の中を強引に飛び立った小型飛行機が離陸して間もなく、吹雪のために方向を失ってアイオワ州セロ・ゴード郡のトウモロコシ畑に墜落した。翌朝になって発見されたものの、パイロットと乗客の全員はすでに死亡していた。
命を落とした乗客はエルヴィス・プレスリーにつぐロックンロール・ヒーローだったバディ・ホリー、メキシコの民謡をロックンロール調にアレンジした「ラ・バンバ(La Bamba)」の大ヒットで知られるリッチー・ヴァレンス、そして“ビッグ・ボッパー”の名で知られたJ.P.リチャードソンの3人である。
この痛ましい犠牲者たちはバディが22歳、ビッグ・ボッパーが28歳、リッチーにいたっては17歳という若さだった。
ニューヨーク州ニューロチェールで新聞配達のアルバイトをしていた13歳の少年は、憧れのアイドルでだったバディ・ホリーの死を、自分が配達する新聞で知って大きな衝撃を受けた。
それから12年の歳月が流れて、かつて新聞配達をしていた少年のドン・マクリーンは、シンガー・ソングライターになっていた。
そしてロックスターの悲劇を題材にした大作、8分30秒にも及ぶ「アメリカン・パイ(American Pie)」を発表する。
ずっとずっと昔のこと
音楽が人を笑顔にしてくれるものだった頃のことを
ぼくは今でもよく覚えている
歌詞の中にたくさんの曲名やバンド、スターの名前が織り込まれた異例の大作は、シングル盤のレコード片面には収まらず、A面とB面に分割されて発売になった。
そこには比喩と暗喩が散りばめられて、ドンは曲中で飛行機が墜落した日のことを「音楽が死んだ日」(The Day the Music Died)と、繰り返し歌っている。
そしてぼくらは暗闇で葬送の歌を歌っていた
あの音楽が死んだ日に
「音楽が死んだ日」からちょうど13年後の2月3日、そのことを歌った「アメリカン・パイ」が全米チャートで1位に輝いていた。
出来すぎのようだが、本当の話である。
ビルボード誌では1972年1月15日より4週連続で第1位を獲得し、年間ランキングでも第3位となる大ヒットを記録したのだ。
(注)このコラムは2014年2月3日に公開された『2月3日 音楽が死んだ日から生まれた曲、「アメリカン・パイ(American Pie)」』を加筆し、改題しました。
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