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ビル・モンロー命日〜“ブルーグラスの父”と呼ばれた男の偉大な功績

1996年9月9日、“ブルーグラスの父”と呼ばれた男ビル・モンロー(享年84)が心不全のため亡くなった。

ブルーグラスとは、バンジョー、マンドリン、ギター、ベース、フィドル(ヴァイオリン)、ドブロ(ハワイアンスティールギターが発展した物)の6種類の楽器を用いた、電気を一切使わないアコースティックな演奏が特徴で、“ハイロンサム”と呼ばれる孤高のブルース感を表現する唱法が最大の魅力と言われている。

カントリー・ロック界の歌姫エミルー・ハリスは彼の死後、こんな言葉でその死を悼んだ。

「彼が音楽を奏でようとして表現できなかったことは一つもなかった。なぜなら音楽こそ彼の人生だったのだから」



1939年、ビル・モンローはBill Monroe & His Bluegrass Boysを結成。ビル・モンロー(ヴォーカル、マンドリン)、レスター・フラット(ヴォーカル、ギター)、チャビー・ワイズ(フィドル)、ハワードワッツ(ベース)という編成のバンドは、1920年代から数多く出現したストリングバンドの中でも、スピード感のあるインストや強いビートのジャンプブルースなどで一線を画した。

1945年12月8日、5弦バンジョーの革命的奏法でブルーグラススタイルの形成に最も大きく寄与したアール・スクラッグスが加わり、それまでのストリングバンドのスタイルとは違う新しいサウンドが生れた。以降、彼らを模範するバンドが続々と登場し、その新しい音楽を(ビルモンローの故郷にちなんだバンド名から)ブルーグラスと呼ぶようになった。

エルヴィス・プレスリーのデビューシングル「That’s All Right」のB面が、ビル・モンローの代表曲「Blue Moon Of Kentucky(ケンタッキーの青い月)」だったということで、50年代の中盤以降はロックンロールの熱狂と共に彼の名前も広く知れ渡ることとなる。


彼が生み出したブルーグラスは、その歴史的経緯からカントリーミュージックの分野の一つとして語られる事も多い。カントリーミュージックのルーツをさかのぼると、アイルランドやスコットランドからアメリカ東部の僻地山岳帯アパラチアに入植した移民たちの歴史に辿り着く。

【黒人の“ブルース”に呼応したアイルランド系移民の“ハイロンサム”】
http://www.tapthepop.net/extra/8023

【みんなアイリッシュだった~アイルランド系特集】
http://www.tapthepop.net/special/irish

「カントリーミュージック」という呼び名は、1940年代に入ってから用いられるようになった。日本が敗戦した第二次世界大戦後にアメリカの音楽産業は再編成され、ヒルビリーなどのマイナーな音楽もこれまで以上に全米のラジオ番組で放送されるようになる。

ところが、もともとアパラチア山脈周辺に住む山岳民に対する蔑称(差別用語)だった「ヒルビリー」という呼び方を嫌う演出家やメディアも現れ、当時はこのジャンル名をめぐる混乱がおきていた。「アパラチアンミュージック」「マウンテンミュージック」「カントリー&ウエスタン」などなど…その呼び方は様々だった。

1950年代になるとR&B、ジャズ、ブルース、ゴスペルといった黒人音楽との融合が始まり、様々な派生ジャンルが生まれる。安酒場で流行した「ホンキートンク」や、ロックと融合した「ロカビリー」などもカントリーの流れを汲むジャンルと言えるだろう。

そんな中、カントリーの伝統スタイルを正統的に受け継いて生まれたのが「ブルーグラス」だった。ビル・モンローが源流となったブルーグラスは、その名が示す通り土の香り豊かな民族音楽としてアメリカのテネシー州、ケンタッキー州など合衆国の南東部を中心に世代を超えて根強いファンによって現在も支持され続けている…


【佐々木モトアキ プロフィール】
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12648985123.html

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