TAP the POP

斉藤ネヲンサイン〜横浜カルチャーを次世代へ継承するイベント『昭和100-ヨコハマ』開催

2025年、昭和が始まって100年という節目に、横浜で一つの“音の再発見”が始まろうとしている。ツイスト、ゴーゴー、マンボ、音頭……戦後の日本を沸かせたダンスのリズムを軸に、当時の熱気を現代にあらためて呼び起こす試みだ。

企画の中心にいるのは、昭和歌謡や戦後ポップスをストリート感覚で再解釈するアーティスト「斉藤ネヲンサイン」。12月27日に象の鼻テラスで開催されるイベント『昭和100 -ヨコハマ-』は、横浜という街が育んできた音楽文化への敬意と、その魅力を次の世代へ繋いでいきたいという想いから生まれた。古き良き時代の“踊れる日本音楽”が、ここで再び息を吹き返す。

〜横浜のレジェンドたちが教えてくれた〜


──斉藤ネヲンサインがどのような音楽世界を作ってきたのか、活動の成り立ちを教えてください。

「斉藤ネヲンサイン」は、昭和に影響を受けたオリジナル歌謡の活動名で、僕の芸名でもあります。よく看板屋さんと間違えられます(笑)。

ネヲンサインと名付けたのは、3.11後の計画停電の頃でした。大好きだった遊び場や繁華街が真っ暗になってしまう体験からです。ロックンロールやブルースに傾倒する一方で、日本語でオリジナルを書く楽しさもあり、ギラギラした昭和の世界へ足を踏み入れることにしたんです。

活動当初は、街のネオンが派手だった昭和、つまり戦後の少しあとから1973年のオイルショックまでの音楽性に絞って、楽曲を制作していました。具体的にはロカビリー、GS、ムード歌謡あたり。

それと、中華街や山下公園のある山下町で暮らし始めたことも大きいです。家のすぐ近所にゴールデンカップスのエディ藩さんが住んでいたり、ゴーゴーガールレジェンドのミニスカのサリーさんのお店には有名な歌手が遊びに来るし、街を歩けば音楽の匂いがするダンディーが飲み歩いていて。当然ながら先輩たちの音楽や、踊り方、遊び方に至るまで羨望の眼差しで見つめています。

家の周りに、話で聞いていた横浜音楽カルチャーがそのまま存在している感じですね。映画の中に迷い込んだような、まさにリアルテーマパーク。当然のように夢中になって遊んでいるうちに、ヨコハマ遊びがそのまま曲になっていきました。


昭和歌謡や横浜の音楽史へのリスペクト

〜長者町「フライデー」で鍛えられた〜


──活動拠点でもあった「長者町フライデー」のマスターが亡くなられ、横浜のヴィンテージ音楽コミュニティにも変化があると聞きました。今、ご自身が感じていること、これからの思いを聞かせてください。

横浜にとっても、自分にとっても、マスター磯原さんの存在は大きかったかと思います。単に音楽を上手に演奏できれば良いという考え方じゃなかったんです。例えば、ステージでの溢れんばかりの音楽愛や、人の中でもさらに際立つファッション性、誰にでも愛される人間臭さのようなことも大事にされていて、「目が離せない」ステージ作りに関しては厳しい眼差しでした。

「斉藤さん、今日のファッション良いね〜、歌なんか上手くなくてちょうど良いんだよ!」

褒められていないよなと思ったりしましたが(笑)、マスターにしか見えていない世界があったようです。最近の横浜は、実はライブハウスが結構減ってしまっています。ビルの建て替えラッシュなどもその要因ですが。我々にとってヴィンテージ音楽の殿堂として「長者町フライデー」はいつまでも頑張ってもらいたいですし、告別式に集まった先輩、後輩アーティストとも、フライデーを盛り立てて行こうという志を共にしました。


長者町フライデーでのライブの様子

〜『昭和100-ヨコハマ』でツイスト、ゴーゴー、マンボ、音頭を体感〜


──今回の『昭和100-ヨコハマ』は、“ツイスト・ゴーゴー・マンボ・音頭”という4つのリズムを軸に企画されたと伺いました。その狙い、選曲や構成について教えてください。

2025年は、昭和で数えると100年という切りの良い年。6月に横浜開港記念会館で開催されたTAP the POPさんが協力した『オトナの歌謡曲ソングブックコンサート in YOKOHAMA』では、サブコンテンツである「令和の中で進化する昭和カルチャー」の一つとして、ドドンパのトークとダンスレッスンを実施しました。

ドドンパというのは、フィリピンのオフビートチャチャを、大阪のキャバレーでさらに踊れるように改良した和製リズムと言われてますが、僕自身、このようなリズム歌謡に注目して和モノを聴いてきた経緯があります。

ギターに夢中になって音楽に没頭していた学生時代にこんなことがありました。1949年生まれの親父に、「お前にどんなリズムが作れるんだ?」と言われたことがあります。その時は「メロディーじゃないの? なぜリズム?」と思った記憶があります。

その後、和モノを買い集めるようになると理由が分かりました。親父のようなディスコ前の世代は「ニューリズム」と呼ばれるようなリズム歌謡を聴いていたんです。1940〜50年代に世界中で流行したマンボを皮切りに、ツイスト、チャチャチャ、ドドンパなど、舶来のリズムから和製のリズムまで、新しいリズムが次々と歌謡曲に取り入れられた時代でした。

そのリズム(とダンス)の多様性と魅力に気づいた体験が、斉藤ネヲンサインの活動にも影響を与えています。

12月のイベントでは、数多あるリズムの中から4つチョイスしました。「ツイスト」と「ゴーゴー」はその不良性、出演チームがどちらも20代という共通点があって、敢えてダンス対決という形にしました。

「マンボ」はもう、東京パノラママンボボーイズに出て欲しかっただけです(笑)。とはいえ、マンボの破壊力をぜひ横浜で体験してもらいたいと思っています。

「音頭」は新たな盆踊りができるほどブームですよね。ライブハウスのような対面式ではなく、グルグル回るというステージ形状が面白いと思います。

昭和期には「〜音頭」「〜節」は、レコードでもとんでもない数リリースされていることを考えると、ただ単にブームなのではなく、ずっと愛され続けているジャンルであることが分かります。

昭和100年、楽しかったこと淋しかったこと。今年あった色々なことに思いを馳せながら、横浜の夜空の下、音頭を楽しんでもらえればと思います。昨今の音頭ブームを牽引している珍盤亭娯楽師匠にDJをお願いしていますので、僕と一緒に昇天しましょう(笑)。


イベント当日はどんなパフォーマンスを披露してくれるのか楽しみ
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〜世界中のヴィンテージ・ミュージックのファンを集めたい〜


──最後に、“昭和100年”という節目の年に、このイベントで伝えたいことや、未来に残したいものがあれば教えてください。

古くから音楽を楽しんでいる年配の方には、自分たちのやり方を見てもらいたいし、今改めて昭和音楽を掘っている若者たちには、良きバトンを渡せればと思ってます。何せ象の鼻パークは、安政6年(1859年)に横浜で最初に開港した場所です。166年という時間に身を委ねて、音楽のひとときを共有できたら良いなと思います。

これまでの音楽シーンは、言語の壁が大きかったように思います。音源とビジュアル以外は、その国の言語で書かれていることが多いからです。

例えば、僕はカンボジアの1960年代のレコードに興味があるんですけど、クメール語が全く分からないので、レコード検索の文字をキーボードで打つこともできない。日本語で言うと「夜のヒットスタジオ」という言葉。漢字の次にひらがな、そしてカタカナが混ざり合ってますよね、海外の人からすると、とても検索しづらい言語なのではないでしょうか。

でも、最近はAIの実用度が上がっていて、写真や動画から文字を起こし活用してくれるので、ディグることがグッと楽になってきました。こういった言語の壁を超えた音楽の出会いに注目しています。J-POPやアニソン、シティポップなどはもちろんのこと、ネット上にテキストデータが乏しいオールディーズにこそ影響を与えてくれるんじゃないかと。

昭和101年以降に向けて。昭和の先輩たちが作った素晴らしい音楽をイベント等で発信しながら、自分もその延長上でクリエイトし続けていきたいと考えています。最終目標は、世界中のヴィンテージ・ミュージックのファンが集まる一大イベントを横浜で開催することです!!


    斉藤ネヲンサイン

    高度成長期の昭和カルチャーに影響を受け、どこか懐かしい感じのコンテンツでライブ、イベント運営をしている。ヨコハマを拠点に活動中。

    ”Saito Neonsign” is a “Showa Kayo” style activity from Yokohama.We’re playing original tunes inspired from 40’s-70’s Japanese oldies.

    公式サイトはこちら

★注目!! 2025年12月27日(土曜)『昭和100-ヨコハマ』@横浜・象の鼻テラス 開催のお知らせ★


昭和100年を記念した音楽イベント「昭和100-ヨコハマ-」が開催決定!! 豪華出演者によるライブ・DJ・ダンスバトルなど多彩なパフォーマンスをお届けします。当日は 夜の音楽イベント「昭和100-ヨコハマ-」をメインプログラム とし、昼間には 自由に立ち寄れるマルシェを同時開催。マルシェは無料で開放されるカフェ併設の休憩所となっており、音楽イベントへの入り口として幅広い世代に「昭和100年」を楽しんでいただける場となります。

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⚫︎出演者
・斉藤ネヲンサイン
・踊るミエとクリーマーズ
・JIN&TOUYA (横濱ツイスティンクラブ)、Johnny Pandora(映像出演予定)
・川西卓(DJ)
・東京パノラママンボボーイズ with Miss Cabaretta
・DJ珍盤亭娯楽師匠
・そうるまんきち(DJ)
・ラヴィッツ松尾(マリンFM/司会)


イベントフライヤーに使われたイラストは、ソリマチアキラ氏の描き下ろし。

TAP the POPも出店決定! 休日にぜひ遊びに来てください!!
昼間のマルシェ(入場無料)にて、TAP the POPのオリジナルグッズ(Tシャツ、パーカー、キャップ、トートバッグ、マグカップ、ステッカー、ハンカチなど)や書籍をイベント特別価格で販売します。
他に、横浜の歴史を写真で見せるコーナー、レコードに針を乗せて聴くことができるレコードコーナー、古着やレトロな服を買ったり、写真を撮れるアパレルエリアなど、ちょっと珍しい体験ができることをテーマにしています。

(出店予定)
​【アパレル・撮影ブースエリア】
​KOTI アクセサリー+Dungoen 古着
​olive vintage shop 古着
林ユバ フォトブース(協力:グランプリーズ)

​【写真系エリア】
町田さん 写真
ろまんカメラ

​【雑貨・イラストエリア】
ラクガキストアー レトログッズ
菅沼朋香 レトログッズ
歩夢堂(leyla)イラスト

​【レコード系エリア】
Deep商店(ディープミネ)服 プレイヤー
TAP the POP
そうるまんきち レコード
グリーンドア レコード
川西さん レコード
珍盤亭娯楽師匠 レコード

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