TAP the POP

ドライヴ~R.E.M.が切り開いた新たなロックンロール

いわゆるパンク以前、私に響いた曲がいくつかあった。そのうちのひとつがデヴィッド・エセックスの「Rock On」だ。


R.E.M.のマイケル・スタイプは2009年、ローリングストーン誌でそう語っている。「Rock On」で何度も繰り返される「ヘイ、キッズ、ロックンロール!」という印象的なフレーズは、マイケルの手によって蘇ることになる。


「Drive」は、あの曲に対してのオマージュだ。そして「Drive」は私が初めてコンピュータで書いた詩だ。それ以前はタイプライターを使っていたからね。


マイケル・スタイプがコンピュータと表現したのは、コンピュータを使って文字を入力した、ということである。マイケルは詩を手書きしない理由について、次のように説明している。

私の書く字は、どういうわけか日々、表情を変える。そんなものは信用できない。最高の詩を書いたとしても、その字が最低なら、私はその詩を捨ててしまう可能性もある。その逆に、手書きの字が美しくても、詩そのものはゴミで、歌になった時には手遅れ、ってこともある。


この曲を書き上げる頃、世間は大統領選のニュースで持ち切りだった。1992年、民主党候補ビル・クリントンが共和党候補ジョージ・ブッシュを破ることになる戦いだ。

マイケル・スタイプは「Drive」の中にさり気なく、自らの主張を織り込んでいる。

ぶん殴れ、砕け、切り開かれた藪(ブッシュ)を


「切り開かれた藪」という表現をマイケル・スタイプが見つけたのは、大学新聞だった。それは4年前の大統領選の時の話だ。ブッシュはデュカキスに競り勝ち、大統領の座を手に入れたわけだが、その時、その大学新聞は民主党候補デュカキスの宣伝広告を掲載していたのである。

「藪(ブッシュ)を切り開かせるな。家を出て、投票を。デュカキスに投票を」

民主党支持のスタイプは4年前の無念を晴らすことになる。曲のリリースから2ヶ月後、ビル・クリントンはジョージ・ブッシュを破り、第42代アメリカ大統領となるのだ。

ぶん殴れ、砕け、切り開かれたブッシュを
もうひとりの奴は拷問にかけるんだな、ベイビー

ヘイ、キッズ、ロックンロールだ
行き先を教えてくれる奴なんていないのさ、ベイビー

もし俺が車に乗ったとして
もしおまえが歩いたとして
おまえが時計の周りでロックしたとして
(ロック・アラウンド・ザ・クロック)

チクタク、チクタク

おまえがそうしたとして
おまえが歩いたとして
俺が車から降りたとしたら? ベイビー



●Amazon Music Unlimitedへの登録はこちらから
●AmazonPrimeVideoチャンネルへの登録はこちらから

    TAPthePOPアンソロジー『音楽愛 ONGAKU LOVE』

    TAP the POPが初書籍を出版しました!

    「真の音楽」だけが持つ“繋がり”や“物語”とは? 
    この一冊があれば、きっと誰かに話したくなる

    今までに配信された約4,000本のコラムから、140本を厳選したアンソロジー。462ページ。

    「音楽のチカラで前進したい」「大切な人に共有したい」「あの頃の自分を取り戻したい」「音楽をもっと探究、学びたい」……音楽を愛する人のための心の一冊となるべく、この本を作りました。

    ▼Amazonで絶賛発売中!!
    『音楽愛 ONGAKU LOVE』の詳細・購入はこちらから