TAP the POP

ポップの美学〜エレクトリック・ライト・オーケストラほか

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「TAP the COLOR」連載第78回

壮大なストリングス、カラフルなヴィジュアル、芸術的なコーラスワーク、踊れるヒップなビート。至福のポップはいつの時代も音楽の楽しさを教えてくれる。ジェフ・リンもリック・オケイセックもブライアン・ウィルソンもノーマン・クックもみんな音楽を愛しているからこそ、聴き手の心をときめかせてくれる。

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エレクトリック・ライト・オーケストラ『Out of the Blue』(1977)
ジェフ・リンのポップセンスが音楽シーンを魅了していた頃のバンドの最高傑作。1970年代半ば〜80年代前半にかけてヒット曲を連発。「Sweet Talkin’ Woman」などストリングスが絡む甘く切ない曲調はELOの独壇場。色鮮やかなジャケットは、デザイナーのジョン・コッシュと日本人イラストレーター/画家の長岡秀星によるもの。


カーズ『Heartbeat City』(1984)
1978年にデビューしたカーズは、リック・オケイセックとベンジャミン・オールのポップセンスに支えられて立て続けにアルバムがプラチナディスクを獲得。通算5枚目の本作では第1回MTVアワードのビデオ・オブ・ジ・イヤーに輝いた「You Might Think」やバラードナンバー「Drive」を収録。Plymouth Dusterが描かれたジャケットも楽しい。

ビーチ・ボーイズ『All Summer Long』(1964)
ポップの美学と言えば、ブライアン・ウィルソンとビーチ・ボーイズを忘れるわけにはいかない。彼らのコーラスワークが楽しめるバンド初の全米ナンバーワンヒット「I Get Around」、聴いているだけでうっとりとした気持ちになる「Hushabye」や「Girls on the Beach」、映画『アメリカン・グラフィティ』にも使われたタイトル曲など、初期の傑作が並ぶ。

ビーツ・インターナショナル『Let Them Eat Bingo』(1990)
現在は「ファットボーイ・スリム」というユニット名で活動するノーマン・クックが、「ビーツ・インターナショナル」名義で1990年のダンスフロアに放った伝説的作品。UKチャートでナンバーワンになった「Dub Be Good To Me」を収録。もともとはネオアコ・バンドのハウスマーティンズのベーシストだったこともあり、そのポップセンスは抜群。クラブカルチャーの創世を彩った重要な1枚だ。

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